なぜ快活CLUBの客がスーツを買う? AOKIHDが業界首位に躍り出た「4500万人データ」と多角化の秘密(3/3 ページ)
AOKIホールディングスは2026年3月期、連結売上高で青山商事を初めて上回り業界首位となった。勝因は30年前から推進する多角化(非アパレル比率47%)と、4500万人分の統合顧客データだ。「快活CLUB」で獲得した10代の顧客を、18歳時点での「AOKI」のスーツ購入へと相互送客する仕組みを構築。「FiT24」や「アニヴェルセル」など「コト」と「モノ」を掛け合わせる新時代のデータ経営に迫る。
客単価数千円と数百円の帳票を毎月見比べる
――事業をまたいだ掛け合わせは、データがあっても発想力がなければ生まれないように思います。こうした発想は、どのように生まれているのですか。
青木: 客単価は、エンターテイメント事業が数千円、ファッション事業が数万円、ブライダル事業が数百万円です。単価の異なる事業ごとに月次の会議があり、それぞれの帳票をしっかり見ていると、考え方の幅が広がります。
毎月数千円、数万円、数百万円という単価の異なる帳票を確認し、それぞれの良かった点や成功した点を情報交換しています。さらに毎週、各事業の経営チームが集まり「こういうやり方でうまくいった」とノウハウを共有する場を、数時間設けています。こうした場を通じて、各経営チームの考え方は柔軟になっています。「あの事業のやり方をこちらに持ってきたらどうなるか」と、発想の幅が非常に広がっているのです。
ビジネスウェアだけ、あるいはアパレルだけを手掛ける会社とは、そこが違います。当社は、FiT24のように全く関係のない事業の話も聞きながら「これをやれば意外ともうかるのではないか」「こういう考え方をすればいいのではないか」と考えます。頭の柔軟性や構想力に生きていると思います。
――事業をまたいで顧客を送り合うには、各事業がAOKIグループのものだと知られている必要があるように思います。ただ、快活CLUBをAOKIグループが運営していることは、まだ一般に浸透していないのではないでしょうか。
青木: AOKIが快活CLUBを運営していると知ってもらうことより先に、快活CLUB、FiT24、AOKIといった業態ごとのブランディングを確実に進めることが重要です。
その上で、アニヴェルセルも含めてAOKIグループが手掛けていると知られれば、認知度がさらに上がります。快活CLUBを利用していた人が、AOKIやORIHICAに行ってみようと考える。そうした相互送客につながっていくはずです。まずは業態ごとのブランディングを徹底的に磨き上げていきます。
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