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年間10万件の「顧客の声」を発注会議に直結 AOKIが競合視察で掴んだ「VOC経営」の凄み(2/4 ページ)

スーツ市場が10年で半減する中、AOKIの小出大二朗社長は「メンズビジネス4割、メンズカジュアル3割、レディース3割」という目標を掲げる。重衣料で培った高度な裁断・縫製技術をパジャマスーツへ応用し、店舗の接客力と組み合わせて競合と差別化。さらにファーストリテイリング視察を契機に導入した年間10万件の「VOC」(顧客の声)を定量分析し、発注会議や在庫の最適化に直結させるアパレル再生の舞台裏を追う。

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年間10万件の「顧客の声」を分析 発注会議で議論する組織に

――カジュアルやレディースの領域には大手の競合も多い状況です。AOKIならではの勝ち筋はどこにあるのでしょうか。

小出: 先述した通り、スーツ作りで培った力をカジュアルやレディースにどう転用するか。これが当社の技術であり、当社だけの強みになります。

 例えば、パジャマスーツに合わせるTシャツ1枚をとっても、パターンに非常にこだわっています。当社では「スーツ屋の仕立てたTシャツ」というネーミングの商品を販売していますが、顧客は「何だろう」と思いますよね。そこに接客が付いて「パジャマスーツのインナーとして、実はここのパターンにこだわっています。ぜひ合わせてみてください」と提案する。こうして客単価を上げていく技術もAOKIにはあります。

――ファッション事業では、顧客のニーズを商品に生かすため、データ活用に力を入れています。具体的にどのような取り組みをしているのですか。

立川: 2022年に始めたVOCの取り組みがそれに当たります。当初は担当者が他の業務と兼務していましたが、取り組みを強化するため、2026年5月から専任を2人置いています。

 VOCの見える化には、多くの企業が取り組んでいます。当社も始めた当初は、想定以上に社内へ浸透しました。現在は商品の発注会議をはじめ、さまざまな会議でVOCを定量的に分析し「ビジネスカジュアルやレディースではこう生かす」と具体策を議論しており、それが当たり前になっています。

 当社に寄せられるVOCは、年間約10万件に上ります。好意的な声もあれば、お叱りの声もあります。2022年以降、こうした声に正面から向き合う取り組みを強化してきたことも、グループの連結売上高で首位を取れた要因の一つです。

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AOKIの立川延之専務

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