「日本は世界で最も重要なグルメ旅行先」 Trip.com幹部が語る、インバウンドと“食の旅”の勝算(1/4 ページ)
世界が「グルメを目的に旅する先」として、日本に熱い視線を注いでいる。中国の旅行予約サイト最大手「Trip.com」(トリップドットコム)が提供するグルメガイド「Trip.Gourmet」(トリップグルメ)が9月に発表した最新ランキングでは、世界40の国・地域から選ばれた700軒超のレストランのうち、109軒が日本からの選出となった。Trip.comが競合ひしめくグルメ評価市場に参入した狙いとはーー。
世界が「グルメを目的に旅する先」として、日本に熱い視線を注いでいる。
中国の旅行予約サイト最大手「Trip.com」(トリップドットコム)が提供するグルメガイド「Trip.Gourmet」(トリップグルメ)が9月に発表した最新ランキングでは、世界40の国・地域から選ばれた700軒超のレストランのうち、109軒が日本からの選出となった。
ミシュランや食べログなどの競合がひしめくグルメ評価市場に、オンライン専用旅行会社(OTA)である同社が本格参入したのはなぜか。
LTV(顧客生涯価値)への効果、日本料理の位置付け、今後の展開について、トリップドットコムグループのバイス・プレジデント兼Trip.Gourmet CEOを務めるサニー・スン氏に聞いた。
Trip.com Group バイス・プレジデント兼Trip.Gourmet CEO(最高責任者)のSunny Sun(サニー・スン)氏。特に、旅と食を掛け合わせた新たな旅行体験を提案するのに尽力している(筆者撮影、以下同)
「グルメ評価」市場へ本格参入した真の狙い
旅行において、現地のレストランで味わう食事は欠かせない重要な要素の一つだ。スン氏は、近年「旅行者のニーズに明確な変化が見られる」と話す。
「かつて『食』は観光の一部でしたが、現在はそれを目的に旅へ出る人が増えています。こうした背景を踏まえ、旅行前の計画から予約までをサポートすることによって、旅全体の質を高められるようにしたいと考えています」
Trip.Gourmetは2016年に開始し、現在、世界40の国・地域で105都市のレストラン744軒を選出している。3つのカテゴリーがあり、最高位の「ブラックダイヤモンド」が60軒、「ダイヤモンド」が160軒、「プラチナ」が524軒だ。
旅行先のグルメ評価では、フランス発の格付けガイドブック『ミシュランガイド』の知名度が高い。日本では「食べログ」もよく知られ、Google マップのレビューを参考にする人も多い。
既存メディアやユーザーレビューのみに依存する従来の口コミサイトとの差別化において、スン氏は「Trip.Gourmetは『旅行者を最もよく理解するグルメガイド』と位置付けていると語る。
「旅行では時間や場所、旅程、予約の可否といった制約の中でレストランを選ぶ必要があります。Trip.Gourmetはそれぞれ適したレストラン選びを提案するとともに、事前予約などの機能も提供しています」
「加えて、他のランキングと異なり、大規模なユーザーデータも活用してより専門的な基準でレストランの品質を評価しつつ、専門家による評価に加え、ハイエンドユーザーや一般旅行者らから寄せられる実体験に基づくフィードバックを組み合わせて反映しています」
Trip.comは、航空券やホテルなどOTAで定番のサービスにとどまらない「グルメ」体験を、エコシステムに組み込むビジネスを展開する。
スン氏は「私たちの目的は、食を通じて新たな成長機会を創出しつつ、ユーザーエンゲージメントとLTV(顧客生涯価値)を高めること」だと、その狙いを語る。
「航空券やホテルは通常、一度の旅行で一回しか予約しない、いわば低頻度の取引です。一方、一日三食の食事は、高頻度かつ不可欠なニーズと見ています。旅行全体にグルメ体験を組み込むことで、ユーザーがTrip.comアプリを利用する頻度を大幅に高め、継続利用につなげます」
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