コラム
» 2007年08月13日 09時05分 公開

シンプルかつ質実剛健、「EXA IIa」-コデラ的-Slow-Life-

部品取りのために買った「EXA IIa」を修理することに。世界初一眼レフカメラ「EXAKTA」の廉価版という位置づけのEXA IIaだが、中古カメラ市場では人気がない。だが、EXAKTAよりも軽快に使えるボディは魅力だ。

[小寺信良,ITmedia]
photo 旧東ドイツはイハゲー社のEXA IIa

 そもそもは、以前修理したEXAKTA Varex IIbで使うスプールを探しに行ったのだった。このEXAKTAに関してはいずれご紹介する機会もあるかもしれないが、外観は綺麗だったものの、いやもう中身の壊れッぷりといったらない、大変な重傷患者だった。修理が完了するまでゆうに1カ月かかっている。

 なんとか直してはみたものの、専用のスプールが付いていなかったので、フィルムのほうのスプールを加工して使っていた。だが巻き取るときにフィルムの先端がちぎれたりするので、DPEのお姉さんに不評なのであった。

 中古カメラの世界では、ないと困るものは大抵高い。人の足元をキッチリ見る世界なのである。EXAKTA用のスプールは、ただのフィルム巻き上げ軸にしか過ぎないが、さび付いた中古品でも2100円もするからびっくりである。


photo Jhagee DRESDENの刻印が渋い

 やっぱりフィルムのスプールで我慢しとくか、と思ったが、ジャンクの棚の中にスプール付きのEXA IIaが3150円で売っていた。考えようによっては、スプールを買うついでにプラス1050円でカメラ本体が付いてくるわけである。壊れてるけど。

 EXAはEXAKTAの廉価版という位置づけだが、中古カメラ市場ではどちらも均等に人気がない。シャッターボタンが左側にあったりして、まあ全体的に使い勝手が変なのである。


photo 裏蓋はガバッと取れる。中も結構綺麗だった

 しかしEXAKTAは、世界で最初に誕生した、由緒正しき一眼レフカメラだ。したがってレンズには出来のいいものが多いが、カメラ本体に人気がないため、これも安い。以前もZeiss Jena(ツァイス イエナ)のF2.8/50mmを買ったが、1万2000円にしては破格に綺麗でよく写るいいレンズであった。おそらくほかのマウントタイプならば、2万円以下では絶対に買えないだろう。

 ただ、これとEXAKTAとの組み合わせは、やけくそに重い。総重量1キロぐらいの鉄の塊は、鷲づかみにすれば十分鈍器として通用する。このレンズをもっと使うために、もう少し軽快に使えるボディがあってもいいかな、と思って、買ってみた。

ファインダを交換するという発想

photo 欲しかったスプール。こんなものが2100円もする

 EXAKTAとEXAは、いろんな意味でユニークなカメラだ。レンズが交換できることはすでに述べたが、なんとファインダをズボッと抜いて、ウエストレベルにも、普通のペンタプリズムにも変えられる。最初はそれを知らなくて、ファインダなしのジャンクを「いくらなんでも壊れすぎ」と思ったのは内緒である。

 筆者の持っているEXAKTAは、ウエストレベルファインダが付いていたが、Zeiss Jenaのレンズを通ってここに写る風景は、むしろ写真よりも美しいんじゃないかと思える。一日中ファインダを覗いているだけで、十分楽しいカメラだ。


photo アクセサリーシューアダプタも付いていた。ラッキー

 残念ながら購入したEXA IIaは、ファインダがペンタプリズム固定となっている。これもコストダウンが進んだせいであろう。これ以前のEXA Iシリーズは、ファインダ交換ができるようである。

 コンディションとしては、シャッターの粘り、ミラーの汚れ、ネジの欠損、ボディ革の擦れなどがあるほかは、外観は綺麗なものだった。またアクセサリーシューアダプタも付いていたので、これもちょっとした儲けものだった。


photo ミラーの汚れは腐食したモルトが張り付いたもの

 ミラーの汚れは、クッションとして張られていたモルトが腐食して張り付いたものである。クリーニングしてどれぐらい綺麗になるかはわからないが、ファインダを覗いた限りでは汚れ部分は視界に関係ないようだった。

 フィルムの巻き上げが右側にある点は、まともだ。いや当たり前のようだが、EXAKTAはこれも左にある。左利きの人は相当使いやすいだろう。筆者は元々左利きだったが、子供の頃に躾にうるさいばあちゃん(元尋常小学校の国語の先生)に右利きに直されたので、今となっては両利きみたいなものになっている。

 したがって普通のカメラもEXAKTAもEXAも大した違和感なく使えるのは、ばあちゃんに感謝すべきだろう。その半面、40過ぎても右と左の区別が判然としないというデメリットがあるのだが、これは単に頭が悪いだけかもしれない。

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。



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