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「FUJIFILM X20」とX10をねっとり比較する(1/3 ページ)

» 2013年03月18日 11時44分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 富士フイルム「FUJIFILM X10」は実にいいカメラだった。操作がシンプルで小気味よく撮れて使ってて気持ちいい。スナップカメラとしてとてもよいデキだ。

 でも、そのあとにでてきた「FUJIFILM X20」はそれをはるかにしのぐデキだったのである。何しろ、X10のコンセプトにより忠実に進化したのだ。2代目というとあれこれいろんな機能を追加して性能は上がるけど当初のコンセプトは希薄化――というのがありがちなんだけど、X20はX10のコンセプトをそのまま大きく進化させたのだ。

photo 左がFUJIFILM X10、右がFUJIFILM X20(シルバー)。実にそっくりな2台。シルバーはX20から用意されたカラーだ

 見た目はほとんど変わらないのに、中味は大きく先へ進んだのである。X10の完成形がX20だといっていいかもしれない。そんな感じで、X10とX20を比べてみるのだ。

新旧センサーの画質を比較

 一番の違いは撮像素子が変わったこと。同じシリーズで同じ画素数ながら、いきなりこれだけ変わっちゃうのは珍しい。どちらも2/3型 有効1200万画素のCMOSセンサーだが、その中味が大きく変わったのだ。

 X10はFinePixの上位モデルと同じEXR CMOSセンサー。画素を45度回転して配置することで解像感をあげたことと、2画素混合によってダイナミックレンジを広げたり高感度時の画質を上げたりできることが特徴で、2画素をペアにしてそれぞれ異なった露出で撮影して合わせればダイナミックレンジを広くできるし(DRモード)、2画素のペアをそれぞれ半分露出で撮って合わせることでノイズが少ない高感度写真を撮れる(SNモード)。DRやSN時は2画素をペアで使う分、画像サイズが半分(つまり6Mサイズ)になるけれども、HDRや手持ち夜景のように連写する必要が無い面白い技術なのだ。

 でもFinePixのように撮像素子が小さいカメラならともかく、2/3型のハイエンド機にはちょっとそぐわないかなという感じにはなってた。2/3型で1200万画素ならそれなりにダイナミックレンジも広く、画像処理による拡張である程度賄えるからだ。モードによって画像サイズが変わるというのも分かりにくい。

 X20はそのEXRをすぱっとやめ、APS-CサイズのFUJIFILM X-Pro1やFUJIFILM X100Sで採用した新しい「X-Trans CMOSセンサー II」に切り替えた。

 X-Transはカラーフィルターの配列を変えて従来のベイヤー配列では出やすかったモアレを抑制することでローパスフィルターレスを実現し、さらに偽色も抑えようというものだ。さらに裏面照射型にし、位相差画素を埋め込んで像面位相差AFを実現したことで、ノイズを減らし、AFを高速化した。

 まったく違う撮像素子に切り替えたのだ。これがなかなかすごい。実際にどこがどう変わったのか、目に見えた体感できる画質の違いはあるのか。

 そこが一番気になるところなわけで、X10とX20で条件を揃えて撮り比べてみたのである。

 まずは昭和な団地の写真をどうぞ。28mm相当で1/500秒F5.6 ISO100に露出を揃えて撮り比べてみた。

photophoto 左がX10、右がX20
photo 部分等倍表示。左がX10、右がX20。

 ……確かに違う!

 同じ1200万画素で同じレンズを搭載しながら、等倍で見るとディテールの描写力が全然違う。枝の先がX10では少しもやっとしてるし、手すりや建物のエッジもX20の方がしっかり描写されている。それでいてX20の方がハイライト部のねばりがある感じで、わざわざ等倍表示しなくても、X20の方が全体にきりっとしてて締まってるのが分かる。

 続いて望遠端での比較。

 こちらは絞り優先AEでF5.6で撮ったため、露出が若干異なっているが(絞り優先AEのプログラムがやや違うせいか、X10の方が1/3段ほど明るめ)、広角時より分かりやすい差が出た。

photophoto 左がX10、右がX20
photo 部分等倍表示。左がX10、右がX20。

 予想以上の差で少々びっくりしたくらいの差だ。明らかにX20の方がディテールがしっかりしてる。

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