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都内エリア別、GW期間に気軽に楽しめる写真展 10選

» 2014年04月25日 22時00分 公開
[野村シンヤ,ITmedia]

 今年のゴールデンウイークは飛び石連休なので、近場で過ごそうという人も多いはず。街中で映画やショッピングもいいが、ふらっと気軽にフォトギャラリーへ足を運んで写真を楽しむのも新しい発見があってオススメだ。一部を除き、ほとんどが無料で楽しめるのもポイント。開催期間中は10時〜19時前後ということがほとんどだが、展示最終日は15時や16時でクローズするので注意したい。

銀座エリア

 8年間を過ごしたロンドンの日常のなかで、写真家・安川啓太氏はさまざまな被写体にカメラを向けてきました。街中でシャッターを切ったときにクレーンが写り込んでくることの多さに、ある日ふと気づかされ、それを機に、クレーンという存在を意識した写真を撮りためるようになります。クレーンが主役のときもあれば、脇役のときもあり、撮影方法や使用機材も様々です。 氏は、そんな写真行為を 『Cranespotting』 という造語で結びつけました(公式サイトより)。


写真展名 安川啓太 写真展「Cranespotting」
会場 キヤノンギャラリー銀座(中央区銀座)
会期 4月24日〜5月2日

 コンデジや携帯カメラ、iPhoneにスマホで大量に写真が撮られているこの時代に、写真の希望なんてどこにあるのだろうか。プリントもされずにデスクトップの中で陽の目を見ることもなく垂れ流しのまま朽ち果てるデジタル写真の山。見ることもできなければ、その片鱗すら感じることもできない不可視のデータの残骸に、フィルムがトラッシュな残骸の山を同期させてくる。

 音楽評論家が、ラ・デュッセルドルフのレコードを塩化ヴィニールの無駄遣いと評したように、価値があるのか無価値な屑なのか、判断不能のごみの山を確信的に築くことだけが未来の写真の希望なのだ。

 無駄のないフレーミング、黄金比で分割された構図、美しく再現された質感、モノクロのトーンが階調豊かに表現されたバライタ紙に、未来の写真のごみの山が侵食し、その美しい写真の表層に不可視のごみの縄目を刻印する。写真は美しくもなければ汚くもない。ただ薄汚い即物的な汚れがあるだけだ。

 汚いという小手先のリアリズムは、現実に嘲笑される。汚さは結局リアリズムの概念に回収され、美意識の回路に組み込まれるだろう。美しさは無限に増え続ける写真の山の中で窒息させられ、その無残な姿を額装されて公衆の面前で辱しめを受ける。未来の写真は美しさの扉を激しく叩き、美しさにうめき声をあげさせるだろう。

 写真は性的快感を廃棄し、不能を肯定するボストン絞殺魔。犠牲者が死んでいく過程になんの想像力も持たずに即物的な興味と観察による絞殺を実行する。着飾って美しく仕上げられたプリントに対し、脳腫瘍で鬱血した顔すらもきっちり階調を出す非情のゾーンシステムのリアリズムでトラッシュなアンセル・アダムスになることを未来の写真は希望する(公式サイトより)。


写真展名 金村修写真展「Ansel Adams Stardust (You are not alone)」
会場 銀座ニコンサロン
会期 4月23日〜5月6日

 古来より親しまれてきた桜は、春への季節の移り変わりにはなくてはならない存在です。

 世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし − 在原業平 (世の中に一切、桜というものがなかったら、春をのどかな気持ちで過ごせるだろうに)

 この歌にもあるように、桜が季節の人のこころを捕らえ、また見る人に語りかけてきます。 待ち焦がれ、愛され、人生の門出に生まれる物語・・・そんな桜をもう一度見たいと、今回は、6名の写真家による作品25点の桜が花を咲かせます。記憶をたぐり寄せ、桜への想いを重ね合わせてぜひご鑑賞ください。

写真展名 「もう一度見たい桜」
写真家 織作峰子、小松ひとみ、鈴木一雄、高橋真澄、中井精也、エドワード・レビンソン
会場 リコーイメージングスクエア銀座
会期 4月16日〜5月11日
備考 有料(500円)

新宿エリア

 冬の渓谷をモチーフに、雪や氷と渓流の織りなす汀(みぎわ)のたたずまいを捉えた作品。冬の始まりから春を迎える季節まで、変化する渓谷の表情を映像化したカラー作品約50点で構成(公式サイトより)。


会場 リコーイメージングスクエア新宿
会期 4月23日〜5月5日
定休 火曜日

 “チベット”という響きを聞くと、何処を思い浮かべるだろうか。多くの場合は“チベット自治区”という中華人民共和国の一部を思い浮かべるだろう。だがもしかすると、チベットという一つの独立国家を想像する人もいるかもしれない。

 しかしながら、現在においてチベットという国家は存在しないにも関わらず、その広大な文化圏は幾国もの国境を跨ぎながら、チベット仏教という国家を超えた超共同体を形成している。

 今日の日本において希薄になってしまった信仰心、尊い祈りは、国家という歪な境界を無意義なものとさせる。

 すぐこの手に届きそうな空の下、ひたむきに祈りを捧げる彼らは穏やかに、そして凛とした強さを垣間見せる。彼らがそうするように、祈りのその先に目を向けた。チベットの空は広大である。カラー35点(公式サイトより)。


写真展名 浅井寛司写真展 「標高4000Mの祈り」
会場 新宿ニコンサロン
会期 4月29日〜5月5日

品川エリア

 1960年代より炭鉱や魚河岸・大衆芸能・被災地など、市井の人々の生きざまをテーマにした作品を数多く発表し、映画監督としても活躍するドキュメンタリー作家、本橋成一氏の写真展です。「上野駅の幕間(まくあい)」は、本橋氏が1980年代、北の玄関口である上野駅に通い、そこに集い、行き交うさまざまな人間模様を撮影した作品群です。本展ではその中から厳選した65点の作品を展示します(公式サイトより)。


写真展名 本橋成一写真展 「上野駅の幕間」
会場 キヤノンギャラリーS
会期 (3月20日〜5月2日)

 国際写真サロンは、世界の写真愛好家を対象にした写真の国際交流展です。1927年に第1回が行なわれて以降、戦時下の一時中断を経て毎年開催し、今年で74回目を迎えました。写真芸術の最高のものを集め展覧するという趣旨の下、応募作品の内容に制限はなく、既発表の作品も応募できるのが特徴です。例年、写真表現の可能性に挑戦した意欲作が数多く集まります(公式サイトより)。


写真展名 朝日新聞社・全日本写真連盟「第74回 国際写真サロン」
会場 キヤノン オープンギャラリー
会期 4月22日〜5月19日

その他エリア

 カメラを手にして40年、日本各地の四季の風景を撮り続けてまいりました。

 風景との対話は、写真撮影の醍醐味のひとつ。風景にレンズを向ける時、自然が語りかけるメッセージを感じることができます。時には自然が織りなす物語に自身の人生を重ねながら、シャッターを切ってきました。

 この春、私たち夫婦は共に80歳を迎えます。この節目に開催することになった写真展では、これまでの歩みの中で出会った数々の風景、そして写真を通して知り合えた多くの方々に感謝の思いを込めました。

  春夏秋冬、私たちの季節もひとめぐりしました。そしてまた、漕ぎ出そうとしているところです。新たな春に向かって。


写真展名 山本一写真展「四季の途(みち)」
会場 富士フイルムフォトサロン スペース1(港区六本木)
会期 4月25日(金)〜5月1日 (木)

 渓流の速度感と海岸線の重量感、そして湖の静寂。奔放な秩序を持った水辺の世界には、始まりと終わりが混然とする野性がある。魚や虫、草や岩は水が創る強い力にささえられ微笑む。「水辺の野性の虜」となった3人の作家が防水・防塵のタフなコンパクト・デジタルカメラ「オリンパスTG-1, TG-2」を駆使して、その深遠な世界に迫ります。


写真展名 The Wild Water 水辺の野性、水辺の虜 (オリンパス TG-1TG-2が写しだす驚くべき水辺の世界)
写真家 知来 要、谷岡 義雄、狩野イサム
会場 オリンパスプラザ東京(千代田区神田)
会期 4月25日〜5月2日

 「軍艦島1974−緑なき島を去る人々 その時−」と題し、炭鉱として栄えた軍艦島が閉山となり、無人島になる直前の離島していく住民の様子や風景を写し出した作品をご覧いただく。

 氏が撮影に出掛けたのは、閉山から2カ月後の事だった。すでに多くの人々が島を去り、雑然と置かれた家財道具や段ボールの山は、全島民が退去しなければならない事の物悲しさを感じさせる。そのような中、無邪気に遊ぶ子供たちの姿や、残されたわずかな時間を過ごす島民達の穏やかな表情に、人々が親密に過ごしてきた島ならではの温かみを感じることができる。閉山するまでの84年間、炭を掘り続け日本の近代化を支えた炭鉱。その小さな孤島で、島全体が家族のように暮らしていた。

 それぞれの思いを胸に、島を離れていく人々の姿が宅島氏の優しい眼差しによって捉えられた作品約80点(全作品モノクロ)を展示(公式サイトより抜粋)。


写真展名 宅島正二写真展 「軍艦島1974−緑なき島を去る人々 その時−」
会場 日本カメラ博物館(千代田区一番町)
会期 4月1日〜27日

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