マウントだけのミニマムカメラ「OLYMPUS AIR A01」(以下A01と呼ぶ)の醍醐味はミニマム故のフリースタイルっぷりにあるわけである。いちいちスマホとWi-Fiでつながなきゃいけないというめんどくささを補える楽しさがあるとしたら、まさにそこだろうと。
で、好都合なことにわたしがふだんメインで使ってるカメラはマイクロフォーサーズ機なので、手元にマイクロフォーサーズ用のレンズが何本も転がってるのだ。
A01でいろんな撮影を試して遊ぶにはうってつけではないか。それらと三脚やら一脚やら何やらを組み合わせればいろんな撮り方で遊べるに違いない。
3Dプリンタを駆使してオリジナルのマウントを作って――っていう手の込んだことまでしなくても一般的な機材だけでけっこう遊べそうじゃないか。そんな視点でいってみよう。なお、本体側の詳しいレビューはこちらを参照してほしい。
何はともあれ基本はレンズキットとして用意されている薄型電動パンケーキズームのM.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZから。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」は、オリンパスの薄型パンケーキズームレンズ。薄いのでA01に装着して持ち歩くには好都合だが、電動ズーム故に、電源が入ったときレンズがせり出てくるのが難点。つい指が触ったとか、思わぬタイミングでレンズがでてきちゃうのだ。
このレンズを使うなら、自動開閉キャップより。レンズ保護フィルターを付けておくのがよいかと思う。
このレンズを付け、右手にカメラ、左手にスマホなスタイルからいってみよう。
ワイヤレスでのリモート撮影なのでこのように一脚に付けるもよし。やっぱワイヤレス機はアングルフリーで撮りたいもの。
ミニ三脚に付けるのもお勧め。さっと置いてリモート撮影できるし、足を閉じてグリップとして使っても楽しい。
もっと小さなポケット三脚ってのもある。これは足を畳めば付けたままポケットに入れられたりするのでなかなかよい。
クオリティを求めるなら、PROレンズシリーズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」を。24〜80ミリ相当でF2.8通し。レンズの描写力もワンランク上だが、A01に付けるにはちと大きめ。
三脚を付けてきっちりリモートで撮りたいとき用な感じだが、手持ちでポートレートを撮ってみた。
実はA01に一番似合うのはこの「フィッシュアイボディキャップレンズ BCL-0980」じゃないかと思うのである。
オリンパスはユニークなボディキャップレンズを出してる。これ、超薄くて絞り固定でAFもないし、写りもアバウトなんだけど、低価格で「レンズとしても使えるボディキャップ」として展開してる。これは面白い。
で、このフィッシュアイボディキャップレンズ(9mm F8)ってF8と暗いけど、何しろ薄いしほぼパンフォーカスだし画角は広いし、アバウトに撮って遊べて似合うのだ。
オリンパスのカメラは手ブレ補正機構をボディ内に持っていて、レンズには手ブレ補正機構がはいってない。でもA01には手ブレ補正機能がないのである。そこでうちにあるパナソニックの標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 14-45mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」を付けてみた。今はもっと薄くて軽いレンズもあるけど、マイクロフォーサーズが登場した当初に買ったものなのでちと大きめだ。その代わり、無理に薄くしたレンズより写りはよい。
続いて手ブレ補正付の望遠ズーム「LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm / F4.0-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」を付けてみた。実はこのレンズ、価格の割によく写るし90〜350ミリ相当と望遠に強いし、ズーミングしてもレンズが伸びないし、細くてコンパクトな割に写りもしっかりしててすごくよいレンズのだ。
細くて軽いのでA01に装着しても、大げさにならずいい感じに収まる。このコンパクトさで350ミリ相当ってのがもうたまらん。
ちなみにパナソニックの手ブレ補正レンズには「MEGA O.I.S」と「Power O.I.S.」の2種類があるが、Powerの方が手ブレ補正効果は強い。A01に望遠を気軽に楽しみたいならこのレンズがお勧めかも。
せっかくだから巨大なレンズを付けてみよう、ということで、オリンパスのプロ向けハイエンドズーム、「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」(80〜300ミリ相当)を装着。三脚座のおかげでミニ三脚に付けてもいいバランスになった。
もう、どこからどこまでがレンズなんだか分からないというか、巨大なレンズにしか見えないというか、本体が消えております。
これ、三脚にセットして構図を決めて、あとはのんびりしゃがんでリモート撮影、的なのにいい。テレコンをつければさらに望遠が伸びる。
被写体が動き回るヤツじゃなければ、けっこうイケるかも。
単焦点レンズも付けてみた。
この「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」は小さくて軽くて細くて安いという素晴らしい中望遠単焦点レンズ。これは細いからA01に似合うに違いない、ってことで付けてみた。
やはりA01にはコンパクトなレンズが似合う。90ミリ相当でF1.8なのでほどよくボケてくれるのもよし。
こういう軽いレンズは扱いやすいため自撮り棒とのカップリングが似合いそう、ってことで、自撮り棒(ベルボンのCVSS6)と組み合わせてみた。
これがあると手が伸びるので近づきがたい被写体や高いところ低いところ工夫次第でいろいろ撮れて面白い。
イマドキのデジカメはスマホからリモート撮影できるからA01じゃなくてもいいやん、と思うなかれ。こういうときはカメラがコンパクトで軽くないと、自撮り棒につけて伸ばしたとき安定しない、小さいカメラだと狭いところも撮れる、などなどの楽しさがあるのだ。
無事撮影成功。「なんだこれ?」って顔はするけど逃げようとはしない。これは楽しいかも。
いやあ、面白いわ。A01の良さはマイクロフォーサーズであること。
似たコンセプトを持つソニーの「ILCE-QX1」に比べると、レンズが軽くてコンパクトでラインアップがそろっているのでより遊びやすい。だからアイデア次第で、レンズや撮り方(ミニ三脚だったり一脚だったり自撮り棒だったりその他諸々)を組み合わせて、いろいろと遊べる。これじゃないと撮れない写真を撮れる。
ついでに言えば、A01はボディ内手ブレ補正を持っていないので、手ブレ補正内蔵レンズを持ってるはずのパナソニックのマイクロフォーサーズカメラのユーザーの方がより楽しめるかも。パナソニックのパンケーキズーム「LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」や電動ズームの「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」なら手ブレ補正も内蔵してるから。
オリンパスのカメラのレビューでパナソニックのレンズを勧めるのもどうかと思うけど、ユーザー的にはせっかく同じマウントなのだから積極的にマッチする方を使うべし、と思う。
さて、A01をどう使うかは自由だけど、個人的には、
的な感じで楽しめそう。バッグの隅にミニ三脚か自撮り棒と一緒に入れといて、「これは」と思ったらそそくさと取り出して撮るとか、そんな遊び方をするのがいいんじゃないかと思う。
新しいカメラは新しい撮り方で遊ぶべし。
さらに、アプリを書ける人はぜひ面白いOLYMPUS AIR用アプリを作っていただきたいなと思う次第である。
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