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» 2004年06月02日 17時07分 公開

the Microsoft Conference + expo 2004:Webサービスが担う次世代ビジネスコンピューティング

6月2日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで「the Microsoft Conference + expo 2004」(以下MSCE 2004)が開幕した。オープニングセッションは古川享氏による「ビジネスコンピューティングの未来 〜ユビキタス社会の到来に向けて〜」だ。

[柿沼雄一郎,ITmedia]

 6月2日、入梅前の晴天に恵まれた東京・千代田区の国際フォーラムでは、MSCE 2004の初日を飾るオープニングセッションが午前10時から始まった。壇上に現れたのは、今年から主たる活動の場を日本に戻した、Microsoft コーポレーション バイスプレジデント兼マイクロソフト 執行役 最高技術責任者の古川享氏だ。

Microsoft コーポレーション バイスプレジデント兼マイクロソフト 執行役 最高技術責任者 古川享氏。

 古川氏のセッションテーマは、「ビジネスコンピューティングの未来 〜ユビキタス社会の到来に向けて〜」。つまり、ITによってビジネスや生活が今後どのように変化していくのか、ということである。IT化が叫ばれ、ようやく一通りの情報化のための装備が終わったいま、さらなる次の段階、ユビキタスと呼ばれる世界では何が待ち受けているのだろうか。

 コンピューティングはスタンドアロンからC/S、そしてインターネットへと変遷を遂げてきた。そして、今後のビジネスコンピューティングのカギは「Webサービス」にあると古川氏は言う。

 今まで個々に存在していた機器やサービスは、操作方法もそれぞれ固有でばらばらだった。こういった時代が長く続いたあと、Webサービスの時代になると、それらはゆるやかにつながれた構造体となって、デバイスどうしが自動ですべてをやりとりしてくれるようになる。こうしたいわゆるサービス連携が、すべての産業で行われるようになるだろうと古川氏は述べる。

 例えば、オンラインである品物が消費者の手に届くまでには、課金のためのシステムや配送システム(機能)といったものが必要だ。これらは今までは個別に存在していた事業だが、Webサービスではそれぞれ(機能)がコンポーネント(部品)となり、必要なものを組み合わせることでビジネスを実現するということが行われるようになる。

 「そうなれば、こうしたコンポーネントを販売するビジネスも成り立つだろうし、サービス自体を提供する会社も現れるだろう。ただし、それには標準化への取り組みが重要だ」(古川氏)

 マイクロソフトは、W3CやIEEEをはじめ各標準化団体へ積極的に参加しているという。そうした活動のなかで業界が一体となることで、新技術の推進や普及といった動きが生まれるからだ。

 こうしたWebサービスを利用した先進事例として、古川氏は一つの会社を取り上げた。人事サービス・コンサルティング株式会社は、住友信託銀行、松下電器産業、花王の三社が自社の人事部門を切り離して、共通の人事関連サービスとして2002年5月20日に設立した会社である。

人事関連サービスだけを集約した人事サービス・コンサルティング株式会社。

 人事全般のサービスを提供するこの会社では、業務システム全体の実現にはWebサービスを利用し、各社の個別仕様にはアドオンで対応するという仕組みを採用。こうすることで、さまざまな要件を要求される外部に対するサービスの提案も可能としている。Webサービスを利用することで、人事がコストセンター(利益を生まない業務)からプロフィットセンター(利益の源泉)へと転換するという、攻めのビジネスモデルを実現した例であるという。

 もちろん、こうしたものの実現にはWebサービスだけでなく、さまざまな技術が必要なことはいうまでもない。古川氏は、ワイヤレス、ハードの進歩、HPC、RFIDといった技術基盤をあげて、これらをうまく結びつけてシームレスなコンピューティング環境を実現することこそ、いまのマイクロソフトの課題であるとした。

 MSCEは東京を皮切りに7月までに名古屋、大阪、札幌、仙台、広島、福岡と7大都市をめぐる。オープニングセッションではこのほか、いま流行しているblogについても、古川氏はおもしろい意見を述べている。東京会場は明日3日まで開催。

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