富士通、データの長期保存に適したストレージシステム

ディスクアレイのデータをテープに自動移行するほか、保存データの原本性を保証する機能を備えたのが特徴。

» 2004年06月08日 15時54分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 富士通は6月8日、データの長期保存に向いたストレージシステム「ETERNUS3000アーカイブストレージ」を8月20日に発売すると発表した。同社の既存ストレージ製品を組み合わせ、同社初のILM(Information Lifecycle Management)コンセプトに基づいたストレージシステムとして提供する。ディスクアレイのデータをテープに自動移行するほか、保存データの原本性を保証する機能を備えたのが特徴だ。

 同システムは、ディスクアレイ「ETERNUS3000」とテープライブラリ「ETERNUS LT130/LT160」、ネットワークストレージサーバ「ETERNUS SP5000」、同サーバ用ソフト「コンテンツ・アーカイブ・マネージャー」を組み合わせて構成した。

 情報には生成されてから廃棄までで価値が変化するというILMの考え方を基本にすえ、使用頻度の高いデータはディスクアレイに、あまり使用しないデータはテープライブラリへ自動移行する機能を搭載した。ストレージ装置を入れ替える場合はソフトが自動で全データを移行してくれるため「テープストレージを光メディアに移行するのも簡単」(ストレージシステム事業本部 ストレージシステム事業部 松島等事業部長)。

 このシステムでは、元データを残したまま追記保存する「WORM(Write Once Read Many)構造」を採用した。上書きや削除は不可能なため、改ざんや誤消去が防げる。法規制などにより長期保存を必要とする電子文書などの原本性を保証できるとしている。また、保管情報の管理にXMLを利用するので情報の再利用にも優れる。

 病院のカルテをはじめ、e-Japanにともなう行政機関の電子文書など、改訂前のデータもすべて残す必要があるケースでの利用を想定しており、実際に同社の電子カルテシステム用のストレージシステムとして導入済みの医療機関もあるという。同社の金融・財務情報管理用ミドルウェア「Interstage XWand」と併用すれば、大量の財務情報をXMLベースの「XBRL」で保存・管理でき、財務データの改ざんも防止できるとしている。

 RAID物理容量4.38Tバイト/テープ容量12Tバイトの搭載できる「タイプS」と、RAID物理容量8.76Tバイト/テープ容量44.2Tバイトを搭載できる「タイプM」の2モデルで、顧客の要件に応じて同社が初期設定を行なって出荷する。価格はタイプSが2048万円から、タイプMが4188万円から。

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