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» 2004年07月15日 17時32分 公開

Oracleと司法省、最終弁論に向けた主張は

来週の最終弁論を前に、双方は今までのまとめとなる摘要書を提出した。その中で争点となっているのは、やはりPeopleSoft買収の影響を受ける「高機能ソフト市場」の定義だ。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 OracleによるPeopleSoft敵対買収を防ぐために米司法省が起こした訴訟で、双方は7月13日遅くに最終摘要書を提出、来週の最終弁論に向けたお膳立てを整えた。

 司法省は、77億ドルをかけたこの買収が成立したら、大企業向け人事・会計管理ソフト市場の競争が阻害され、製品価格が釣り上がるとの根拠に立って訴訟を起こした。Oracle側は、競争の激しい市場で成長するためにはPeopleSoftを買収する必要があると主張している。

 13日遅くに提出された審理後の摘要書は、基本的に1カ月にわたる審理の間に双方が申し立てたことをまとめ、証拠と証人の証言を盛り込み、それをすべて独禁法に照らしたものとなっている。この訴訟の争点となっているのは、司法省側が「OracleとPeopleSoftの合併により悪影響を受ける複雑な『高機能』アプリケーション」の市場を適切に定義したかどうかだ。

 司法省は摘要書で、Oracle、SAP、PeopleSoftだけが特定の中核アプリケーションの存続可能なベンダーとなる顧客セグメントを確認したと主張。OracleとPeopleSoftが合併したら、製品の価格は上がり、品質は下がるだろうという顧客の証言を引き合いに出した。

 同省は、この訴訟は主に「ユニラテラル効果(買収当事者単独の価格支配力)」理論に基づいていると主張する。大まかに言うとこの理論は、合併しようとする2社の企業が供給する競合製品が、ほかの代替製品よりも近いものである場合、合併後の企業は一方的に価格を引き上げられるというもの。司法省はこの点に置いてSAPを軽視している。SAPは多くの米国企業にとっては(Oracle、PeopleSoftの)強力な競争相手ではないというのがその理由だ。

 「合併計画はOracleとPeopleSoftの接戦をなくし、それによってOracleは高機能人事・会計管理ソフトの米国の顧客への値引きを少なくすると見られる。同社は残るライバルとの調整を図ることなく価格の引き上げることが自社に利益にかなうと考えるだろう」(司法省の摘要書より)

 Oracleは、米国の企業は定期的に海外ベンダーからソフトを購入していると反論。この訴訟は「模範的なグローバル市場」に関連するものだと主張している。OracleとPeopleSoftが合併してもSAPよりは弱いため、ユニラテラル効果理論はこの訴訟には当てはまらないと同社の弁護士は記している。

 「独禁法では、合併後の企業にそれよりも大規模なライバル(この場合はSAP)がいる場合、一方的な市場力の行使が可能だとの判断は許されない」(同社弁護士)

 同社はまた審理の間と同様に、摘要書の中でも司法省の「高機能ソフト」の定義を批判している。同省は、合併によって悪影響を受けることになる市場を定義しようとして、このような用語を発明したのであり、そのために業界で受け入れられている基準ではなく特定の顧客の例を利用したと同社は申し立てている。

 「これは混沌とした市場の定義だ。合併への異議申し立てが成功したケースは言うに及ばず、このような『不定形』の市場定義を当てにした合併をめぐる訴訟はない」(Oracleの弁護士)

 PeopleSoftとの合併が実現しても、Oracleは「SAPばかりでなく、Lawson(Software)、AMS(American Management Systems)、次第に勢力を増すMicrosoft、アウトソーシング会社といった多数の強力な競争上の制約」に直面することになると同社は主張している。

 双方の弁護士は、これから7月20日にサンフランシスコの連邦裁判所で行われる最終弁論の準備を行う。ボーン・ウォーカー判事が8月か9月に判決を下す見通しだ。

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