ソフトウェア開発でLinuxをサポートするメリットとは

テキサス州グレープバインで開催中の「Rational Software Development User Conference 2004」、プレス向けのグループインタビューでIBM Software Development Platform上でLinuxをサポートする意義を聞いた。

» 2004年07月20日 18時01分 公開
[ITmedia]

 テキサス州グレープバインで開催中の「Rational Software Development User Conference 2004」、初日の19日、日本のプレス向けグループインタビューでは、Linuxに対してどのような姿勢で臨んでいるのかの説明があった。話してくれたのは、IBM SoftwareのLinuxマーケティング戦略担当マネジャー、Adam Jollans氏だ。

アダム氏 「日本にも数度いったことがある。桜が大好き」と話すアダム氏

 今回のカンファレンスでは、IBM Software Development Platform上でLinuxをサポートすることが発表されている。サポートするのはRed Hat Enterprise LinuxとNovell SUSE LINUXだ。日本市場においては、Turbolinuxなどのサポートも検討しているという。

 同氏はLinuxの特徴、たとえばオープンソースであることやそのセキュアさ、などをひとしきり挙げたあと、Linuxをサポートする意義を語った。

 同氏の話をまとめると、年末までにリリース予定の「Atlantic」(開発コードネーム)でLinuxをサポートする意義は、特にISV(独立ソフトウェアベンダー)にとってメリットが大きいといえる。そのメリットは大きく分けると、コスト面と開発効率の向上に顕著に見られる。

 コスト面では、開発環境がクロスプラットフォームであることで、同じオペレーションを異なるOS上で同様の操作感覚で行えること、また、CやC++をサポートすることで、WindowsやUNIX、メインフレームからの移行が現実的なものになることを挙げる。また、必要であればクラスタ環境を利用することで開発時間の短縮も見込め、結果として高いパフォーマンスを得ることもできると話す。

 開発効率に関して言えば、これまで、熟練したLinuxのユーザーの中には、コーディングを行うにあたって、IDEを使わず、emacsやviを使って作業を進めていくユーザーも少なくなかった。そうしたユーザーに対して、Rational製品が持つモデリング機能やテスティング機能などの多くの機能を提供する、言い換えれば開発方法論をLinuxに持ち込むことで、より生産性が向上することになるという。

「何もすべての機能を使わないとだめなわけではないのです。開発に当たって、私たちが提供するもの、例えばテスト機能やチェンジマネジメントの機能など、一部分でも使うことで開発効率があがるのであれば、それは検討に値するはずです」(アダム氏)

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