海外の複数拠点で会計業務を一元化したSMK

会計業務パッケージを提供するシステムズユニオンは、電子部品メーカー大手のSMKが本社主導の業務改革推進を目指して、アジアをはじめとする海外拠点に「SunSystems」を導入すると発表した

» 2004年08月05日 20時12分 公開
[ITmedia]

 会計業務パッケージを提供するシステムズユニオンは、電子部品メーカー大手のSMKが本社主導の業務改革推進を目指して、アジアをはじめとする海外拠点に「SunSystems」を導入すると発表した。SMKは、キーボード、タブレットなどのコンピュータ周辺機器や、コネクタ、スイッチなどの接続部品を製造している。

 同社は、市場ニーズの推移に即応した製品開発を行い、デジタル家電、カーエレクトロニクス、携帯電話の分野で業績を伸ばしてきた。1970年代から、生産および販売拠点を海外に展開し、現在はアジア、欧州、米国の26拠点でビジネスを行っている。

 電子部品業界では、時代に即した成長分野への対応と、新規市場の開拓が業績を左右する鍵になるという。同社は、販売体制の整備やコスト構造の見直し、拠点管理を含めたグループ経営体制、コーポレートガバナンスの強化を掲げており、今回の会計システム再構築も、その一環として位置づけられている。

従来は拠点ごとに別システム

 従来各拠点では、現地で調達した個別の会計システムを使用し、連結決算を実行するために、本社へ送るデータをExcelを使って手入力で作成するケースが多かった。

 また、本社から現地のシステムに直接アクセスする仕組みが構築されておらず、詳細な会計データを確認するために手間がかかっていた。拠点でトラブルが発生しても、本社は、現地の経理スタッフが自力で問題を解決するのを待つよりほかなかった。

 こうした事情から、会計パッケージの導入を決意した。選択にあたっては、多通貨対応をはじめとしたグローバル機能、SMK全拠点で利用できる単一システムであること、拠点から本社への報告を自動で行えること、どの国でも確実な現地サポートを受けられることなどを重視し、SunSystemsを採用したという。

 現地での運用負荷軽減を考え、サーバを日本に設置し、各拠点にはクライアントのみを置く形で、運用管理の全てを本社が担当する。勘定科目や帳票類の標準化を徹底し、レポーティングも可能な限り自動化した。

 同システムでは、SunSystemsの分析コード設定を生かし、部署、取引先、税区分などの一般的なコードに加え、さまざまな独自コードを設けて多面的な計数管理が行えるように工夫されているという。SunSystems Financialsにより、販売系のレガシーシステムからデータを受け取り、一般会計および予算管理を行う。

 また、SunSystems Vision XLによってレポートの自動生成を行い、連結システムなどの外部システムへExcel形式でデータをエクスポートする仕組みの構築も進めており、海外拠点を管理するインフラの整備と会計データの可視化を目指し、改革をスタートさせたという。

 SMKの経理企画室主任、山家広行氏は「ブラックボックスだった海外事業所のデータに直接アクセスできるようになり、現地への問い合わせ回数や、工数が減った。」と話す。

 また、会計システムの統一によって勘定科目の標準化が進めば、連結決算のさらなる早期化が計れるという。今後は、「管理会計の充実も行っていきたい」と話している。

 同社では、香港の製販2社、シンガポールの販社の計3拠点で導入を終え、引き続いて、2004年度中にマレーシア、中国の深センにもSunSystemsの導入を進めていく予定。

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