Linspireのマイケル・ロバートソンCEOは自身のブログの中で、Linux搭載デスクトップPCのコマーシャルを取り上げている。
常に抜け目のないLinspireのマイケル・ロバートソンCEOは、米国国境の南北両側でデスクトップ用Linuxが、文字通りゴールデンアワーに進出しつつあることに気づいたようだ。「Linux搭載デスクトップコンピュータのTVコマーシャルの放映が北米とメキシコで始まった」と同氏は指摘する。
IBMでは、LinuxサーバのTVコマーシャルを2年前から流している。しかしロバートソン氏が気づいた限りでは、つい最近までデスクトップ用LinuxのTVコマーシャルは見たことがなかったという。「メインストリームの仲間入りをしたかどうかを示す指標としてテレビに勝るものはない」と同氏は、人気の高い自身のブログの中で述べている。「デスクトップLinuxコンピュータを対象とした2つの新しいTV広告が登場した。これらは、IBMがLinuxサーバで行ってきたTV広告のデスクトップLinux版に相当すると言えるかもしれない」
ロバートソン氏によると、こういったコマーシャルは、Linuxの可能性に関する認識を高める効果があるという。
「私がLinspireを興したとき、デスクトップ用として使えるくらいまでLinuxをユーザーフレンドリーにできるかという点を多くの人々が疑問視していた。Linuxをポイント&クリック式の使いやすいものにして、こいうった疑念を払拭するためにわれわれは努力した。今日、Linuxの普及にとってとりわけ重要なのは、“Windowsオンリー”の世界で育ってきた人々に対して、本格機能を備えた代替選択肢、ひょっとするとWindowsよりも優れている選択肢が存在すると教育することだ」と同氏は記している。
ロバートソン氏は、デスクトップLinuxが高い能力を備え、実用的であることを世界に教育するには、わずか2社の企業がTVコマーシャルを流すだけでは不十分だということは認識しているが、2つの新しいTV広告ならびにそれに続くであろう広告は、Windows以外の選択肢に対する認知を拡大する役割を果たすものと確信している。
北米でTVコマーシャルを流しているのはSub500というベンダーで、この広告についてロバートソン氏は「Linuxデスクトップの値ごろ感を強調した魅力的なスポット広告」と表現している。国境の南側では、Elektraという企業がスペイン語圏の人々を対象としたコマーシャルを流している。「ラテンアメリカではこれから1台目のコンピュータを購入するという家庭が多いため、Elektraでは家族全員のニーズに対応できる汎用性の高いマシンであるという点を強調している」とロバートソン氏は説明する。「Elektraからの連絡によると、同社は倉庫いっぱいのLinspireコンピュータを売り尽くしたという。われわれが新興市場でのデスクトップLinuxに大きな期待を抱いている理由もそこにある」
「デスクトップLinuxのうねりが高まるにつれ、Sub500やElektraなどの先駆者の後に続く企業が増えると予想される」とロバートソン氏は締めくくっている。
同氏が付け加えるまでもなく、Linspireにとってもそれは良いことであるに違いない。
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