Sun、金融機関の地盤回復狙い一連の発表

金融業界で復活を遂げるため、Sunは新たな方策を打ち出した。(IDG)

» 2004年09月22日 07時26分 公開
[IDG Japan]
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 米Sun Microsystemsは9月21日、金融業界で従来の地盤を取り戻すべく、ニューヨークで一連の製品、アップグレード、サービス関連の発表を行った。

 ジョナサン・シュワルツ社長は、同社のSolarisがLinuxシステムよりも優れた性能とシステム管理機能を提供できることを証明しようと、会場を埋めた投資銀行アナリストや金融サービス業界幹部を前に、ウォール街が望んだものを同社は提供すると語っている。

 Sunは当初、景気低迷期に顧客が望んだ製品を提供する準備ができていなかったとシュワルツ氏は認めている。

 「買い物リストを提示されても当社には提供できるものがあまりなかった」とシュワルツ氏。

 顧客が望んでいたのは、複数のプラットフォームに対応したSolarisと、価格を下げながらパフォーマンスのレベルを引き上げることだったと同氏は言い、「今は在庫がそろっている」と話した。

 会場のユーザーやアナリストによれば、Sunにとっての大きな課題は、同社の技術をLinuxと差別化できるかどうかにある。Sunは過去数年にわたってx86技術に対応したSolarisを提供してきたが、SPARCプロセッサシステムで稼動できる多彩なソフトの認定も行ってきたとシュワルツ氏は指摘する。

 「買い物リストで大きな項目の一つは、選択肢を広げてほしいということだった」とシュワルツ氏。

 Linuxに奪われた顧客を取り戻す狙いで、Linuxからアップグレードする顧客にはSolaris利用権のライセンスを50%割引で提供すると同氏は発表。

 ニューヨークの金融機関向けプロモーションには、IntelのXeon搭載サーバからOpteron搭載のSun Fireサーバに乗り換えた顧客に対するキャッシュクレジットの提供などが含まれる。クレジットはローエンドのSun Fire V20zサーバの560ドルから始まり、ミッドレンジのSun Fire V40zは1250ドル、Sun Java Workstationは860ドル。

 また、一部顧客向けにはSun Fire V20zとSolaris 10を無償で試験提供する。

 来月のSolaris 10立ち上げに向けた機運を高める目的で、システム採用プログラムのSoftware Express for Solarisを通じて向こう90日間で、新製品、移行ツール、サポートを提供する計画もこの日発表された。(→関連記事)

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