オンデマンドなコンテンツ配信で、AkamaiとIBMの強力タッグInterview(2/2 ページ)

» 2004年09月29日 20時25分 公開
[聞き手:堀 哲也,ITmedia]
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 Akamaiのコンテンツディストリビューションは、それにぴったりでした。例えば、キャンペーンなどで、通常100台のサーバを1000、1万台と即日増やせるわけではありません。インターネットという環境の中でそれを実現するには、Akamaiのようにコンテンツをキャッシュして、分散配置することが、顧客が最も恩恵を受けられるものと考えます。

 通常時は固定の契約をいただいて、インターネットの転送量が突然増えた場合、そこの部分に対してはAkamaiがサービスを提供します。IBMのオンデマンドサービスとは、方向的に合っているのです。

 インターネットはかなり身近になってきました。若者向けの新商品が発表されれば、非常に敏感な彼らは、すぐにサイトにアクセスに来ます。ひと昔であれば、サイトがダウンしても、「それだけ注目度が高いんだ」と開き直っていた顧客も多くいました。しかし、今はそんな世界でありません。ビジネスの損失につながり、信用も失います。

 Akamaiのサービスは、一時的なピーク対応に顧客から最も関心と効果を感じてもらっています。最近では、オリンピックがありました。メディア系のかたは、それなりにインフラ強化をされていたかもしれませんが、日本があれだけ金メダルを取るとは分からなかったわけです。金メダルを取れば当然、消費者はそのニュースに殺到するわけです。オリンピックでは、予期できないものへの対応を十分に実行することができました。

コンレイデス 日本も含めブロードバンドが浸透してきた中で、渡辺さんの指摘する即時対応というのが、既に求められている時代に入っています。即時対応なしに日本の企業もありえないと思っています。

――日本のブロードバンド接続は世界的にも安価になり、消費者に急速に普及しています。これがAkamaiのサービスにどう影響しますか?

コンレイデス 消費者は、直ぐにコンテンツが得られること、そしてよりリッチなコンテンツを求めるようになります。ブロードバンド接続により、ISPと消費者のコンピュータの間のネットワークは高速化されたものの、実際のコンテンツがあるところまでには、まだまだ多くの障害があるわけです。その障害をなくすのがAkamaiのサービスだといえます。

 ブロードバンドの普及はAkamaiにとって追い風になるでしょう。日本でも30のISPと提携していますし、それを見越して、30〜40%の増強も行っています。

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