仮想的な作業空間でメーカーの製品開発をサポート――メイトリックスワン

メーカーにおける製品開発プロセスの管理を行うアプリケーションを提供するメイトリックスワンは、同社が新たにリリースした「MatrixOne グローバル・ナレッジ・ソリューション」を発表した

» 2004年10月06日 21時05分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 メーカーにおける製品開発プロセスの管理を行うアプリケーションを提供するメイトリックスワンは10月6日、都内で記者発表会を行い、同社が新たにリリースした「MatrixOne グローバル・ナレッジ・ソリューション」を発表した。

 MatrixOneグローバル・ナレッジ・ソリューションは、複数の組織や人々にまたがったプロジェクトにおいて、仮想的な作業空間を生成できるWebアプリケーション「MatrixOne Team Central」が基盤になる。この作業空間で利用するナレッジの作成にMicrosoft Officeを利用できるようにし、さらに、ナレッジの検索機能として米ベリティのK2Eを組み込んで、ソリューションとしてリリースしたことが特徴となっている。

 導入企業は、製品開発のプロセスが組織間にまたがるなど複雑化しても、チームとしての仮想的な作業空間を利用してナレッジ管理を行えることで、製品の企画から設計、開発というPLM(プロダクトライフサイクル管理)を効率的に行うことができる。

 この日発表されたMatrixOneグローバル・ナレッジ・ソリューションは、メイトリックスワンの中核製品であるMatrix PLM環境に、1つのコンポーネントとして組み込まれる形になっている。

 一般に、最近のメーカーの製品開発プロセスは、自社だけでなく関連会社も巻き込んで分業することも多く、複雑化する傾向がある。そのため、「だれが最新のデザインを持っているかが曖昧」「重要な製品情報が特定の社員の個人PCにあるためにアクセスできない」「対応アプリケーションをチームメンバー全員が持っていないために、情報共有が実質的に困難になる」といった課題が出てきてしまう。

 結果として、生産性の低下や開発期間の長期化、知的財産(IP)を損なうことによる競争力喪失などが懸念される。さらに、不必要な設計を繰り返したり、製造工程の後半になってからの仕様変更、再利用が上手に行えないといった事態も招くことになる。MatrixOne グローバル・ナレッジ・ソリューションはこうした問題を、開発チーム間で利用できる仮想的な作業空間や、優れた検索機能を取り込むことで解決しようとしている。

 具体的には、製品ライフサイクルの早い段階から関連組織を巻き込んだ開発体制を敷いたり、製品データの組織間における共有、また、製品データのビューイングなどを行うのが一般的な利用方法になる。

 なお、同製品に組み込まれた検索エンジンを提供するベリティは、GartnerやDelphi、Meta、IDCなどの調査機関が「インテレクチャル・キャピタル・マネジメント」(ICM)として定義する領域で、高い評価を得ているベンダーだ。顧客レコードや社員番号などの構造化データだけでなく、XMLなどの反構造化データ、HTMLやPDFなどの非構造化データを含めて検索をすることができる。

 さらに、ベリティがGoogleの検索エンジンと違うところは、検索におけるパーソナライズが可能であること。同じ言葉を検索したとしても、ユーザーのそれまでの利用実績に応じて、検索結果が最適化される。

 

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