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» 2004年11月09日 21時18分 公開

NovellのOESにNetWareユーザーから賛否両論

NovellがNetWareからの移行パスとして用意する「Open Enterprise Server(OES)」に対しては、賛否両論がある。NetWareカーネルはもう死んでしまったのだろうか。

[IDG Japan]
IDG

 NovellはNetWareのインストールベースを生かすために「Open Enterprise Server(OES)」を近くリリースする予定だ。しかし北米ツアーの一環としてNovellが立ち寄ったトロントでは、同社のメッセージに対する反応は賛否両論に分かれた。

 NovellはOESを提供することにより、NetWare上で動作する「NetWare Services」と呼ばれる製品群が「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)9」でも利用できるようにする。NetWare Servicesには、「Novell iFolder」「Novell Storage Services(NSS)」「NetStorage」「iPrint」「Virtual Office」「Virtual Teams」「eDirectory」「Clustering」「ZENworks」「iManager」「CIM」「Client Experience」などが含まれる。これらの製品でOESと共に出荷されるバージョンは、NetWareとSLESの両方に対応する。

 製品の内容を事前に知りたいユーザーのために、現在、OESはオープンベータプログラムの一部として提供されている。

 OESの最終版がリリースされるのは2005年2月の予定であり、その時点でユーザーはOESにアップグレードするか、SLES 9に移行するか選択できる。Novellによると「NetWare 7」なるものを投入する予定はないという。OESが次のステップとなるのだ。同社では、NetWareを放棄するつもりはなく、ユーザーに選択肢を与えたいだけなのだとしている。

 この方針を歓迎するユーザーもいる。カナダのケベック州サンローランにあるSaturnus True Data Servicesのウィレム・P・H・バグチャス氏は、「これは、確立したセキュアなネットワーキングシステムと新しい標準との完璧な結合だ」と話している。また同氏は、NovellのOESがMicrosoftとの競争を市場で復活させると考えている。

 オンタリオ州オークビルにあるD-Link Systemsの情報システム管理者、ルイ・ブレゼラコス氏も同意見だ。

 「Novellが戻ってくるのはうれしい」と同氏は話す。

 バグチャス氏とブレゼラコス氏が喜んでいるのは、NetWareが安定性と信頼性に優れたプラットフォームであると両氏が考えており、NetWareのコンポーネント(eDirectoryなど)をLinux上で利用できるようになるからだ。バグチャス氏によると、eDirectoryは現在市場に出回っている中で最も優れたディレクトリだという。

 またNovellによると、OESによってNetWareからSLESへの移行が容易になる。SLES上にOESをインストールして既存のデータを移行することができるからだ。しかしOESが登場した後でユーザーがNetWareを使い続けるのかLinuxに移行するのかは、まだ分からないという。

 オンタリオ州マーカムにあるNovell Canadaのロス・シェバリエCTO(最高技術責任者)は、「既存の顧客はLinuxへの移行を急いではいないが、選択肢があるのはうれしいと言っている」と話す。

 OESは、NetWareとeDirectoryで以下の組み合わせをサポートする:NetWare 4.xとNDS 6.21、NetWare 5.xとNDS 7.62cまたはNDS 8.58、NetWare 6.xとeDirectory 8.7.0および8.7.1。

 懐疑的なユーザーもいる。オンタリオ州ベルビルにあるHastings and Prince Edward Counties Health UnitのITシステムマネジャー、トム・ロッカート氏は、「Novellはこれまで焦点が定まらなかったが、今回もその傾向が見て取れる」と話している。Health Unitは現在、NetWare 6と同6.5を使っている。

 しかしロッカート氏は、市場ではNetWareへの関心が薄れており、Novellは勢いを取り戻すために何か手を打つ必要があったと考えている。同社が今回打った手が、Linuxに資金を投入するというものだ。

 「開発者の間では、NetWareカーネルはもう死んだと考えられている」と同氏。

 ロッカート氏によると、Health UnitではNetWareマシンをOESにアップグレードする予定だが(このアップグレードはNovell Maintenanceプログラムに含まれる)、同氏はまだLinuxに飛び込む覚悟ができていないという。ただしHealth Unitのサーバの1台はオープンソースのプロキシサーバ「Source Quench Introduced Delay(SQUID)」用で、SUSE Linuxが動作している。ロッカート氏が心配しているのは、Health UnitがNetWare上で運用しているアプリケーションの中には、Linux上で動作しないものもあるのではないかということだ。その場合、使用中のソフトウェアをSLES 9上で利用するにはLinux対応版のライセンスを新たに購入しなくてはならない。

 シェバリエ氏によると、NetWareユーザーがLinuxに移行する場合、例えば、GroupWiseのメンテナンスプログラムを契約していれば、「Novell GroupWise for Linux」のアップグレード版を無償でもらえる。しかしメンテナンスプログラムを契約していなければ、ほかのソフトウェアと同じように新規にパッケージを購入する必要があるという。

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