日立、グループ各社ERPパッケージを「GEMPLANET」でブランド化

グループ各社が独自に展開してきたERPパッケージをひとつのブランドとし、日立製作所は統合ブランドの優位性を競争力として見せつけていく。

» 2004年11月11日 13時15分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 ERP市場にも、昨今の情勢からWebサービスとの親和性を要とする戦略発表が顕著となっている。日立製作所(情報・通信グループ)は11日、都内で発表会を行い新たなERPパッケージブランド「GEMPLANET」を披露した。

 新たなERPブランドは、これまでの「GEMPLANET」、中堅や中小企業向けの「GEMPLANET/Lite Suite」、製造業や生産管理を担う「GEMPLANET/WEBSKY」をパッケージ一新し、新たな戦略ブランドとするもの。

 同社、クロスマーケットソリューション事業部 事業部長の佐久間嘉一郎氏は、情報システムの世代交代時期が到来していると語り、2004年度は750億円となっているERP市場が、2006年度には1000億円にまで成長するという。その背景には、中堅における導入が期待されていると語り、今後、年15%の拡大が見込まれるとのこと。

 現在、ERPを必要とする企業が抱えている課題としては、人材不足やIT投資の負担、改善ノウハウ不足であると指摘し、ERPパッケージへの期待は高いものの、後述するような企業間連携を満たすにはパッケージが持つ統合力が欠かせないことに触れた。

 今回発表されたERPパッケージブランド「GEMPLANET」は、短期間でシステム導入が可能となる日立からの回答だという。

 特徴となるのは、GEMPLANETにファミリーパッケージ製品が位置づけられている点であり、日立グループ各社によって販売されている会計や人事、労務を担うパッケージを、核となる「GEMPLANET Ver.2」を取り巻く連携モジュールとして機能する点だ。

 「販売パートナー22社のノウハウ、パッケージ、サービスをGEMPLANETブランドとして提供するもの」と佐久間氏。核となる基本管理を中心に、生産管理、会計・債権債務管理、販売管理、人事・労務管理などを網羅可能としている。

 中核となる製品「GEMPLANET Ver.2」は、2005年1月31日からの提供開始。Windows 2000 Server及び2003 Server上で稼働する。データベースにはGEMPLANET専用の同社「HiRDB」を標準バンドル。他にもOracle 9iをサポートする。

 運用形態として完全Web対応を掲げ、管理コストの軽減、利便性向上を狙う。

 さらなる強みとし佐久間氏は、日立のHarmonious Computingに基づく総合データベース、ミドルウェア、サーバ、ストレージ、ネットワークをトータル提案できる点にあると語る。GEMPLANETは、従来のERPパッケージから「コラボレイティブERPパッケージへ」として位置付けられる製品だと強調された。

 GEMPLANETは、2008年までに市場シェア20%、売上累計は1300億を目指す。

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