Firefoxに関心を示すITマネジャーたち(1/2 ページ)

Firefox 1.0がリリースされたことで、IEの意義についてITマネジャーはさまざまな考えを持つに至っている。ある人はIEをウイルス配布システムとまで酷評するが、実際の現場において、IEからの乗り換えが難しい場合も多いようだ(IDG)。

» 2004年11月29日 15時38分 公開
[IDG Japan]
IDG

 オープンソースWebブラウザの「Firefox」のバージョン1.0が正式にリリースされたのは今月だが、同ブラウザは既に6月の時点からユーザーの注目を集め、MicrosoftのInternet Explorer(IE)の市場シェアを少しずつ侵食してきた。

 しかし統計データによると、Firefoxの成長を支えているのは企業ユーザーではなさそうだ。Firefoxを開発した非営利組織のMozilla Foundationの技術ディレクター、クリス・ホフマン氏によると、週末になると新ブラウザの利用が急激に増加するという。

 このデータは、Computerworldが先週実施したITマネジャーへの電子メールアンケートで得られたもの。回答者25人のうち、「社内のブラウザをFirefoxで標準化した」と答えた人はわずか2人だった。「個人ベースでFirefoxを試したことがある、あるいは使っている」と答えた人は11人。しかし17人の回答者が「社内でInternet Explorerを使用するという決定を当分見直す予定はない」としている。

 イリノイ州ノースブルックにある保険会社Allstate InsuranceのIT担当副社長補佐、パトリシア・コフィー氏は、「社内では当初からMicrosoftのInternet Explorerで標準化している。当社では基本的に、デスクトップではMicrosoft製品を社内標準としており、IEやOffice、Outlookなどを使っている」と話している。

 Allstateにとって「最大の不満はMicrosoft製品のセキュリティ問題だ」(コフィー氏)。しかし同社では、機能に関してはIEに満足しているという。

 コロラド州ジェファーソン郡では約5カ月前、2000人の郡職員に対し、Firefoxに乗り換えるよう指示した。同郡でIT開発を担当するディレクター、デビッド・ギャラハー氏によると、その理由はセキュリティだという。「IEは『VDS』(Virus Distribution System:ウイルス配布システム)ではないかと思うようになった」と同氏は話す。

 「IEは企業の健康にとって有害だ。ウイルスの影響を受けないようにするためには、IEの面白い機能をすべて無効にしなければならない。Microsoftの社員でさえも『ActiveXコントロールを無効にする必要がある』と言っている」(ギャラハー氏)

 ジェファーソン郡では、Firefoxのβ版を運用してきたが、現在はバージョン1.0に移行中だ。ギャラハー氏によると、Firefoxの導入は順調に進んだが、同郡のドキュメント管理システムなど一部のアプリケーションのコンポーネントがFirefoxをまだサポートしていないという。「しかしアプリケーションベンダーでは、この問題を修正するとしている」と同氏は話す。

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