米国のIT運用業務、20年で半数が消滅の可能性――Gartner予想

かつて製造業界で起きたオートメーション化による業務消滅に、向こう20年でIT就労者も直面するかもしれない。

» 2004年12月02日 08時59分 公開
[IDG Japan]
IDG

 データセンター技術の進展により、米国内のIT運用業務のうち最大で50%が向こう20年で消滅するかもしれないとの予想をGartnerの研究者が公表した。

 製造業界では過去数十年でオートメーションの進展に伴って職が減少しているが、これと似た状況にIT就労者も直面すると、ガートナーのアナリスト、ドナ・スコット氏は予想。同様に、ITインフラ、アプリケーション、プロセスの標準化によって生産性が向上、要求されるスキルは大きく様変わりすると話している。

 Gartnerが「リアルタイムインフラ」と呼ぶこの変化には、サービス指向アーキテクチャ、コミュニケーション障壁の解消、事業の優先度に応じたダイナミックなITの配置が含まれる。これを実現する技術は、知能が高くサービスの自動割り当てと自己修復機能を持つため、人間の介在をそれほど必要としない。

 スコット氏はGartnerがラスベガスで開いた年次データセンターカンファレンスで講演した。同氏によれば、システム管理、問題対応、変更管理といったIT運用業務は現在、IT部門の人件費の約55%を占めているが、自動化が進展すれば、IT運用はもっと工場に近いものになると予想。ITアーキテクチャのスキルを持った人材や企業/顧客関係の知識を持った人材のニーズが高まり、例えばIT人件費に占めるプロジェクト管理の割合が上昇すると見ている。

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