SRAが米国企業2社と業務提携、SOA/Webサービスビジネスに本腰

SRAはWebサービス関連事業を手がけるInfravio、AmberPointと業務提携契約を締結し、SOA/Webサービスビジネスに対して本格的に着手する。

» 2004年12月14日 15時55分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 SRAは12月14日、都内で発表会を開催し、Webサービス関連事業を手がけるInfravioと業務提携契約を締結したことを発表した。同様に、AmberPointとも近々および業務提携契約の締結に至る予定。両社との業務提携を機に同社はSOA/Webサービスビジネスに対して本格的に着手する。

 SRAの鹿島亨代表取締役社長は、「動きの速いIT業界で生き残っていくためには、いち早くオープンソースに取り組んできたように、ネタを仕込んでおくことが重要。ガートナーなどの調査結果を見ても将来性が期待できるWebサービスを上手に使うことで差別化が図れると思っている」と話す。

鹿島氏 「米国では2005年にはWebサービスが本格的に開発されるようになる。日本も近い将来そうなると思われるので、早めに手をつけておきたい」と鹿島氏

 今回提携が発表された両社は、ともにカリフォルニアを本社とし、SOA/Webサービス分野で高度な技術を有している。また、Webサービスの標準化団体であるOASISのメンバーでもある。

 InfravioはSOA実現の上で重要な機能となるレジストリの部分に対して高度な技術を持ち、「X-registry」や「X-broker」などの製品をリリース、顧客には世界最大規模の航空券予約会社であるSabre Holdingsなどが挙げられる。

 AmberPointはWebサービスにおける監視・管理面で評価の高い製品をリリースしており、Webサービスの監視・管理を行う「AmberPoint Management Foundation」やQos監視、自動フェイルオーバー機能などを備える「Service Level Manager」、リアルタイムでの障害解析をサポートする「Exception Manager」などがある。また、Webサービスのテスト、パフォーマンス測定ツール「AmberPoint Express」は、マイクロソフトから提供予定のVisual Studio 2005 Team Systemにバンドルが予定されている。

 上記のように今回業務提携を締結した2社は、Webサービスにおける「レジストリ」、「監視・管理」に対してそれぞれ強みを持っているといえる。では、SRAのSOA/Webサービスに対する強みはどこだろうか? これに対して鹿島氏は、「SOA/Webサービスで重要なポイントとなるキーワードは、XML、SOAP、WSDL、UDDIの4つ。このうち、XMLとSOAPに関しては、SRAもノウハウが蓄積している」とSRAの持つシステム開発力、運用ノウハウに自信を見せる。そこに両社の製品を組み合わせることで、SOA/Webサービスに関するトータルなSIサービスを提供しようという考えだ。

想定されるSIサービス(クリックで拡大します)

 今回の業務提携によって、SRAは国内の販売代理、製品のローカライズ、コンサルティング、トレーニング業務などを行う予定。その先駆けとして、SOA/Webサービス技術の理解度・認知度向上のため、12月から、セミナー・出版・教育ビジネスを開始するとしている。なお、一般ユーザー向けのセミナーは2005年4月からを予定している。

 また今後、社内に専門の組織を作ってビジネスに当たるとともに、WSDLについてのノウハウも深めていくとしている。なお、この組織では、業務提携先の製品のサポートも受け付ける予定であるという。

「2005年の第一四半期にはファーストユーザーを獲得したい」(鹿島氏)

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