Smithfieldはデュアルコアに、全チップのマルチコア化を進めるIntel

デスクトップ向けの「Smithfield」は90ナノプロセスを採用したデュアルコアプロセッサになる。同プロセッサの存在が公式に確認されたのは初めて。Intelは全プロセッサのマルチコア化を推進する。

» 2004年12月16日 16時35分 公開
[IDG Japan]
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 Intelは、将来投入するすべてのプロセッサをマルチコアにするという方針を明確にした。また、将来のデスクトップ/サーバ/モバイルプロセッサ計画についても一部を明らかにした。

 12月14日に行われたブリーフィングにおいてIntelのデスクトッププラットフォーム部門のスティーブン・スミス副社長は、デスクトップ向けの「Smithfield」は90ナノメートルプロセスを採用したデュアルコアプロセッサになると語った。同プロセッサの存在が公式に確認されたのは初めて。

 スミス氏は、このプロセッサもPentium 4と呼ばれるのかという点については否定も肯定もしなかったが、その可能性は低いようだ。というのも、同氏がプレゼンテーションで見せたスライドでは、これらの次世代製品がPentium 4とは別個の製品ラインとして示されていたからだ。Smithfieldは2005年に登場する予定だとされている。

 Intelでは、2006年までにSmithfieldの生産を65ナノメートルプロセスに移行する予定であり、そのころにはマルチコア型デスクトップチップの開発も本格化する見込みだとしている。しかし、デュアルコアチップでは新しいデザインが採用されるのか、それとも既存のPentium 4チップを単にワンパッケージ化したものになるのかは不明だ。

85%のサーバ用チップはデュアルコアに

 既にサーバ用プロセッサはデュアルコアに移行中であり、スミス氏によると、Intelでは2006年末までに、同社が出荷するサーバ用プロセッサの85%がデュアルコアになるのに対し、デスクトップ/モバイル用チップはその比率が70%にとどまると予測している。Intelが今年出荷したプロセッサでハイパースレッド(HT)技術を搭載していたのがわずか65%に過ぎないことを考えれば、これらは意欲的な計画だと言えるだろう。

 しかしスミス氏は、Intelが世界各地に保有している大規模な研究開発施設や製造工場まで紹介し、これらの施設を総動員してこの問題に取り組むと語った。同氏によると、この取り組みの成果として、今後4年間で最大10倍の性能改善(もちろん純粋なプロセッサレベルにおいて)が達成される見込みだとしている。「IntelがHT技術とチップ速度の向上だけに固執していれば、性能改善は3倍にとどまるだろう」と同氏は話す。

 「デュアルコア方式では、ハイパースレッディング方式と比べると、各スレッドにより多くのハードウェアリソースを割り当てることができ、スレッド実行のメリットも大きい。HTの場合、ハードウェアは対処するので精一杯だ。マルチコア化というのは、将来的にさらに多くのコア、つまり4個あるいはそれ以上のコアを搭載するという意味だ」(同氏)

 スミス氏によると、Smithfieldは現行のPrescottチップと同じサーマルエンベロープ(熱設計範囲)に収まる見込みだという。この「Intel語」を翻訳すると、Smithfieldでは消費電力が大幅に増えることはなく、それゆえ発熱量が大幅に増加することはないという意味だ。

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