Wal-Mart主導のRFID導入にサプライヤーは消極的――AMR Research調査

Wal-Martが牽引するRFIDの導入に関し、サプライヤーは乗り気でないことが、調査結果で明らかになったという。

» 2004年12月24日 08時17分 公開
[ITmedia]

 米小売り大手Wal-Martは大手サプライヤーに対し、2005年1月までにRFIDの導入を義務付けているが、調査会社AMR Researchがこのほどまとめた報告書によれば、サプライヤー上位100社がこれまでに投じた額は、最低限の要件を満たすための2億5000万ドルにとどまっているという。

 サプライヤーはRFIDへの投資を戦略投資とは見なしておらず、Wal-Martの期限に間に合わせるためだけにシステム同士をつなぎ合わせたにすぎないとAMR Researchは解説している。

 サプライヤー1社あたりのRFID投資額は100〜300万ドル。タグとリーダー、最低限のソフト導入にはこの額で足りるが、目に見えるメリットを引き出すためにはRFIDを自社のアプリケーションに組み込み、既存のソフトを変更して大量のデータを保存できるようにする必要があり、その場合は1社当たり1300万〜2300万ドルのコストがかかるはずだとAMR Researchは試算している。

 「Wal-Martのサプライヤーの多くは投資利益がないと判断しており、さらに悪いことに、この技術への投資はこれまでのところ資金の無駄遣いだと考えている。義務を果たすための最低限の出費にとどめているのはそのためだ」。AMR Researchのリサーチディレクター、カラ・ロマノウ氏はこう解説している。

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