IBM/Lotusが描くNotesとDominoの未来

Notes/Domino 8では、Notesクライアントが直接IBMのWorkplace Client Technologyのコードベースに統合される予定だ。「Notes/Dominoはもはや平行な道を走っていない」とLotus幹部は語る。(IDG)

» 2005年01月26日 14時45分 公開
[IDG Japan]
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 IBM/Lotusは1月24日、Notesプラットフォームの未来を祝し、顧客に対して彼らの投資が守られていることを伝えると同時に、Javaベースの次世代コラボレーションツール「Workplace」シリーズのメリットと進歩を宣伝した。

 「2年前は、Lotusの未来に大きな疑問が持たれていた」とLotus Software担当ジェネラルマネジャー、アンブッシュ・ゴヤール氏はLotusphereカンファレンスの開幕セッションで語った。Lotusの未来は明るく、「この上なくうれしい」と同氏は語った。

 同社はこの日、Notes/Domino 7.0のβ3をリリース、正式版は7〜9月期に出荷する計画だ(1月25日の記事参照)。正式版には、Notesクライアントを、EclipseとJavaで構築されたIBMの「Workplace Client Technology」フレームワークと連係させられる技術が含まれている。Lotusは以前、このプラグインをバージョン8に搭載するとしていた。

 バージョン8とその前に登場するバージョン7.5は開発中だ。バージョン8では、Notesクライアントを直接Workplace Client Technologyのコードベースに統合する。

 Lotusはまた、Workplace Designerの限定β版を含む開発ツールの強化機能も発表した。Workplace Designerは、Domino DesignerでNotesベースのアプリケーションを開発するのと似た方法で、Workplaceプラットフォーム向けのアプリケーションコンポーネントを開発するためのスクリプトベース開発ツール。このツールはDominoとWorkplaceの開発環境を橋渡しするものだ。

 「これから、Notesをまとめている骨組みは時とともに消えるだろう」とMeta Groupのアナリスト、マイク・ゴッタ氏は語る。だが、ユーザーが今後もNotes 7や、IBM/Lotusが開発を約束している後継版と付き合い続けていくことは明らかに可能だと同氏。「モジュール化されるということだ」

 また電子メールやインスタントメッセージング(IM)などの既製の再利用可能なコラボレーションサービスを走らせるプラットフォーム「Workplace Collaboration Services 2.5」も発表された。4月1日にリリースされる見込みの同技術は、「Activity Explorer」という新機能が目玉になっている。この機能は、ユーザーが電子メール、チャット、文書を1つのインタフェースにまとめ、統合されたプレゼンス機能を使ってこれらオブジェクトで行われている「アクティビティ」を確認できるというものだ。さらに「Web Conferencing」ホステッドサービスも紹介された。

 ゴヤール氏は、IBM/Lotusのコラボレーション製品のユーザー基盤を、現行のNotes/Dominoの公称ユーザー数1億1800万人から2億人に拡大することが目的だと語った。

 また同氏は、古いExchange 5.5をまだ使っている顧客の数や、MicrosoftのExchange 2003以降の新版開発における不透明感を指摘し、Microsoftに対抗して顧客を取り込もうとした。

 「Exchangeの未来がどうなるのか、疑問を呈するときだ」とゴヤール氏。同氏はMicrosoft顧客に対し、IBM/Lotusは彼らに行き先を与えると保証した。

 Notes/DominoとWorkplaceはもはや平行な道を走ってはいないと同氏は語った。「今はただ1つの目的地に向かっている。それはロールベースのWorkplaceだ」

 開幕セッションでは、Notesの15周年を祝って、同ソフトの生みの親であるレイ・オジー氏も登場した(1月25日の記事参照)。オジー氏はスタンディングオベーションで迎えられ、またLotus元CEOのマイク・ジスマン氏(現在はIBM幹部のコンサルタント)がスピーチを行った。

 Grooveの創設者でもあるオジー氏は、「この技術は、われわれがともに働く方法を模索する始まりにすぎないと思う」と語った。

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