VA Linux Systems Japanと新華Linuxは戦略提携を発表。「Debian Project」に対する貢献の強化と、Debian GNU/Linuxをベースとしたシステムの採用を推進する。
VA Linux Systems Japanと中国の独立系オープンソース・ソフトウェア・デベロッパーである新華Linux(Sun Wah Linux)は3月1日、ユニバーサルなOS開発プロジェクトである「Debian Project」に対して開発面での貢献を強化し、また日中両国の市場においてDebian GNU/Linuxをベースとしたシステムの採用の推進を共同で行っていくことで合意し、戦略提携したことを発表した。
今回の提携は、VAリナックスのLinuxカーネルを中核としたサーバ技術と、新華Linuxが持つアジア圏を中心とする国際化技術を中心としたデスクトップ技術を組み合わせ、両社でDebian Projectへのコミットを強化することで、両者の強みを生かしながら同時にDebian GNU/Linuxの世界的な市場でのプレゼンス向上を図ることを目的としたもの。
現在、VAリナックスには6名、新華Linuxには2名のDebian Official Developerが在籍している。VAリナックスでは「UltraMonkey」の開発者であるサイモン・ホーマン氏や、GNOME、Mozilla関係のメンテナーである北目拓郎氏、新華LinuxではOpenI18NのSteering Committeeメンバーで、国際化フレームワークのスペシャリストであるロジャー・ソー氏が著名な開発者として知られている。
また、両社は共同で日中両国でのDebian GNU/Linuxベース・システムの採用を推進する。日本国内では通信およびエンタープライズ市場、中国国内では政府、公共市場向けのプロモーションを進めていくという。
なお、この発表に対しては、江蘇省情報産業庁副庁長の謝正義氏、中国ソフトウェア業界協会副理事長兼秘書長の胡崑山氏のほか、国内ではNTTコムウェア取締役オープンソースソフトウェア推進部長の長野宏宣氏、NTTデータ取締役オープンソース開発センタ長の山田伸一氏がそれぞれエンドースを出している。中国側は中央政府と江蘇省政府、日本側はNTTグループが推している格好となる。
今回の戦略提携は日本ではあまりなじみのない新華Linuxと行われている。この企業がどういった企業なのか、そしてなぜDebian GNU/Linuxなのか。そのあたりをVAリナックスのマーケティング部長で、OSDNユニットのユニット長も務める佐渡秀治氏に聞いた。 → インタビュー記事へ
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