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» 2005年03月07日 19時18分 公開

「迷惑メールによる金銭的被害を未然に防ぐ」、BIGLOBEがブロックサービス

NECは5月中旬より、「BIGLOBE」のユーザー向けに、スパムメールやフィッシングメールをサーバ側で選別する「迷惑メールブロックサービス」の提供を開始する。

[高橋睦美,ITmedia]

 NECは3月7日、同社のインターネット接続サービス「BIGLOBE」のユーザー向けに、スパムメールやフィッシングメールをサーバ側で選別し、目印を付けて配送する「迷惑メールブロックサービス」を提供することを明らかにした。まず3月8日より、最大1万人規模での評価モニターを開始し、5月中旬より本格サービスをスタートする予定だ。

 サービスの料金は無料で、NECでは個人、法人合わせて10万ユーザー程度の利用を見込んでいる。7月上旬には、メールフォルダの振り分け機能やレポート機能といった有料オプションも開始する計画だ。

古関氏 NECのBIGLOBEパーソナル事業部の事業部長代理を務める古関氏は、ポート25ブロックも含め、今後も引き続きさまざまな迷惑メール対策を講じていく方針だとコメントした

 この1年ほどの間に、米国のみならず日本国内でも、PCをターゲットにしたスパムメールが増加してきた。内容を見ても、単に商品を売り込むことを目的としたバルクメールに代わり悪質な架空請求/不当請求メールが急増しており、金銭的被害の拡大が懸念されている。その上最近では、フィッシング詐欺を仕掛けるメールの存在も報告された。

 迷惑メールブロックサービスはこうした状況を踏まえ、迷惑メールやフィッシングメールによる被害を未然に防ぐことを目的に提供されるものだ。迷惑メールの判別には、米Cloudmarkが提供する判定エンジン「Cloudmark Authority」を採用する。

 サーバ側での判定の結果スパムとみなされたメールのサブジェクトには、「spam」という文字列が加わってユーザーの手元に届く。あとはメーラーの設定によって振り分けが可能だ。

 既に他のいくつかのISPも迷惑メールのフィルタリングサービスを開始しているが、「ベイジアンフィルタ型の製品の場合、どれが迷惑メールかをシステムに学習させる手間や時間がかかり、運用が面倒だった。また、おとりメールボックスをしかけてそこに届いたメールを解析するタイプのサービスでは、解析に時間を要する。特に迅速な対応が求められるフィッシング詐欺の場合、有効とはいえない」(NEC BIGLOBEパーソナル事業部事業部長代理の古関義幸氏)。

 これに対し今回のサービスでは、新手のスパムメールについても即時の対応が可能となる。特定少数をターゲットに送られてくるフィッシングメールへの対応策としても有効だという。

 NECではこれに先立つ2004年4月に、ユーザー個々が設定するブラックリストに基づきメールをフィルタリングする「迷惑メール拒否サービス」を開始しているほか、迷惑メールの送信/転送を防ぐ手立てを講じてきた。今回の迷惑メールブロックサービスの追加によって、より包括的な迷惑メール対策を実現していくという。

言語に依存しない解析

 Cloudmarkでは、プラグインソフト「SafetyBar」を通じて、全世界の約120万人(うち日本国内は約5000人)のユーザーからスパム情報を収集するアンチスパムコミュニティ「SpamNet」を構築している

 Cloudmark Authorityでは、SpamNetを通じて収集されたスパムメールの情報を元に、主に2種類の方法でスパムメールを判別する仕組みだ。

 1つは、メールのヘッダー情報や構造を解析し、スパムメール判定用のルール(同社では「構造判定カートリッジ」と表現している)を作成。これを用いてスパムを検出する方法だ。単語や文法といった言語に依存する要素ではなく、メールそのものの特徴に着目してスパムを解析するもので、このルールは約30日おきに更新される。

 もう1つは、スパムメール配送の「道筋」に着目する方法である。そのメールが経由してきたサーバの情報を、SpamNetの情報を基に構築した「信用度(レピュテーション)データ」と付き合わせることでスパムかどうかを判断する。このデータはリアルタイムに更新されるため、「短時間のうちにダイナミックに手口を変えてくるフィッシングメールに対し、特に効果的だ」(米Cloudmarkの共同創設者兼CTO、ジョーダン・リッター氏)。

 この結果米国では、誤検出を1%程度に抑えながら、迷惑メールの95%をブロックするという精度の高さを実現したということだ。NECが行った日本語環境における内部評価でも、これに近い数値が出ているという。

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