戦略投資としての設備保全管理――インテンシア

インテンシアジャパンは、Movexシリーズとして提供している「エンタープライズアセットマネジメント」をアピールする

» 2005年03月18日 19時53分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 「保守は単なるコストではない」。スウェーデンのERPベンダーであるIntentiaの日本法人、インテンシアジャパンは、同社のMovexシリーズとして提供している「エンタープライズアセットマネジメント(EAM:設備保全管理)」をアピールする。EAMは、ロボットやプラント、建物といった企業の資産を、会計や人事、在庫管理などの主要業務と連携した上で、最適化した形で管理するための業務アプリケーションだ。

 一般に、設備管理には、点検や保守のための作業負荷や人件費がかかるため、企業の多くは、投資というようりはコストとしてとらえている。だが、同社は、設備管理をはじめとした保守業務に、品質改善やブランドイメージ向上、納期遵守による顧客満足度の向上、故障が軽減するなどのさまざまな「利益」が隠れていると指摘する。

 たとえば、製造業では、設備保全における要員の調整や、工具やスペアパーツの過剰在庫、あるいは欠品といった課題を抱えている企業が多いという。EAMを利用することで、正確な情報を一元管理できるわけだ。結果として、スペアパーツ在庫や購買コストの削減、工場の稼働率アップ、製品の品質向上などの効果を見込めるとしている。

 北米日産自動車は、米国の工場でMovex EAMを導入し、設備の休止時間を短縮、保守の効率化と生産性の向上を図っているという。導入されたのは、テネシー州のスマーナ工場、デカード工場、ミシシッピー州のカントン工場の3拠点。この3工場で、米国で販売されている日産自動車のエンジンおよび車両の大半を製造している。EAMにより、予防保守計画の策定や機器履歴の追跡、監視、大規模プロジェクトにおける保守オーダーの作成などを行っているという。

他システムとの統合も

 Movex EAMには、設備保全やワークオーダー処理、サービスオーダー受注、故障診断保全管理、メンテナンス作業の統計と分析などの機能が含まれる。ユーザーはブラウザから、建物や設備、スペアパーツにいたるまで、現場の状況を点検することができる。

 一方、システム的な特徴は、Movexと同様に100%ピュアJavaでコーディングされている点が挙げられる。データウェアハウスのMovex BPW(Business Performance Warehouse)と連携することにより、EAMで管理するデータをビジネスインテリジェンス(BI)ツールで分析することも可能になる。また、メインフレームや他社のERPとの統合APIが提供されている。

 企業は、設備管理などの基盤となる業務を最適化することにより、「足腰」を鍛えながら競争力の強化を図ることができる。

インテンシアでソリューションコンサルタントを務める杉本浩二氏

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