ビジネスと結合するILM――Documentum語るEMC

米EMC傘下の日本ドキュメンタムは、コンテンツ管理ソフトの最新版「EMC Documentum 5.3」を発表した。米EMCソフトウェアのマーク・ルイス主席副社長は、「Documentumを情報の新たな統合管理基盤にする」と話す。

» 2005年04月18日 19時04分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 米EMC傘下の日本ドキュメンタムは4月18日、コンテンツ管理ソフトの最新版「EMC Documentum 5.3」の販売を開始した。社内の電子化された文書や帳票などデータベース化されていない非構造化データを管理するためのソフト。EMCの掲げる情報ライフサイクル管理(ILM)と、ビジネス上のワークフローを結びつける要となる。

マーク・ルイス氏 EMCのソフトウェア戦略を指揮するEMCソフトウェア主席副社長のマーク・ルイス氏

 EMCは、幅広くラインアップしたストレージシステムのバリエーションを武器に、必要とされる性能とコストのバランスを最適化するILM戦略を推し進めている。ILMは情報の価値に応じて格納するメディアを替えるという価格差を利用した手法として注目されるが、EMCは、ことあるごとに業務に一致した形で情報の流れを管理できる点をアピールしてきた。

 2004年に買収を完了したDocumentumは、このITにおける価値とビジネス上の価値を結びつける役割を担う。IT管理者には、サイロに分断された異なるデータタイプのコンテンツを一元管理できる機能を提供するだけでなく、業務のワークフローに即した形での文書作成のコラボレーションを支援する。

 ソフトウェア戦略を指揮するEMCのマーク・ルイス氏は、「Documentumは、顧客にとって情報の価値をさらに向上させることができる製品。情報の統合基盤にしたい」と話す。

 ワークフローを設計するGUIベースのモデリングツールを提供し、プロセスのモニタリングや、タスクの割り当てなどが行えるほか、外部アプリケーションとの等号や連携を可能にするビジネスプロセス管理(BPM)機能を新たに搭載した。

 Documentumでは、すべてのコンテンツタイプに対して仮想的な情報リポジトリを形成して、一元的な管理を可能にする仕組みだが、「Documentum Content Storage Services」により、情報リポジトリにストレージの階層を理解させられる。これにより、情報の再配置というILMとも密接に結びつくようにもなっている。

 Documentumの最新版では、そのほか、Documentumのリポジトリだけでなくさまざまな格納場所からコンテンツを検索できるフェデレーション・サーチ機能やOutlooK向けの新クライアントインタフェース、チーム作業用のワークスペースを提供するコラボレーション・サービスなどの機能を備えた。

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