米EMC、Dantzで中小企業向けバックアップ市場へ

米EMCは4月14日、中小企業向けバックアップソフト「EMC Dantz Retrospet 7 Windows版」を日本で販売すると発表した。

» 2005年04月14日 19時29分 公開
[ITmedia]

 「SMB市場ではニューカマーだが、市場を上回る成長が期待できる」――EMCは「CLARiX AX100」投入に続き、ソフトウェアでも中小企業市場への攻勢の色を強める。2004年10月に買収したバックアップソフトのDantzを武器に、日本の中小企業向けバックアップ市場に参入する。ただし販売はアクト・ツーおよび報映産業が行い、EMCジャパンおよびその販売パートナーから販売の予定はないとしている。

 Dantzは、もともとMac版バックアップソフト「Retrospect」で知られてきた企業。EMCの傘下に入ってからの新バージョンで、Windowsなどに対応し、「EMC Legort NetWorker」が苦手とする中小企業からSOHOエリアをカバーする製品と位置づけられた。

 Retrospect 7の特徴は、シンプルなウィザードでバックアップからリカバリまでを行える点。ネットワークにつないだクライアントを自動認識するなど、管理者がいないような中小企業やブランチオフィスでもバックアップ/リカバリ環境を構築できる。

 プロアクティブバックアップと呼ばれる機能を備え、グループ単位でスケジュールを設定し、失敗したバックアップを自動的に再実行したり、中断したバックアップを途中から続行するなど確実なバックアップが行える。合成バックアップや、マルチステージングバックアップ、ベアメタルリストアといった柔軟なバックアップデータの管理も可能だ。

 「中小企業が求めているのは、バックアップ/リカバリ。依然としてバックアップを行っていないところは多い」とビクトリア・グレイ氏(EMCソフトウェア EMC Dantzワールドワイド・セールス&マーケティング担当ディレクター)。

 NetWorkerでは、製品が複雑すぎ対応しづらかった大企業の拠点向けサーババックアップソリューションとしても売り込む。今後、AX 100と組み合わせて、ソリューションとしての販売展開も考えている。

 ストレージソフトウェア市場で成長著しいEMCだが、NetWorkerとDantzの2つで覇権を手にしていないバックアップソフトウェア市場の攻略を図ることになる。

 Retrospect 7 Windows版の価格は、無制限にサーバとクライアントPCをバックアップできるMulti Serverが19万8450円から、ローカルサーバと無制限にクライアントPCをバックアップできるSingle Serverが9万3450円から、Windows Small Business Server用のSmall Businessが6万9090円から、Disk to Diskが4万4100円からとなっている。

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