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» 2005年04月26日 15時07分 公開

WinHEC:Longhornへの通過点――64ビット版Windows

とうとう提供開始が発表された64ビットWindows OSだが、デスクトップの分野で普及するにはデバイスドライバなどの開発などがネックになり、その普及のスピードは鈍いものになりそうだ。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 Microsoftは4月25日、デスクトップコンピュータとサーバ用OSの64ビット版を発表し、Windowsの「第三10年期」の到来を告げた。

 Microsoftのビル・ゲイツ会長兼チーフソフトウェアアーキテクトは、シアトルで開催された同社の年次Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)の初日、「Windows Server 2003 x64 Editions」および「Windows XP Professional x64 Edition」の提供開始を発表した。

 ゲイツ氏は、これらの新OSおよび64ビットのアプリケーションで動作するPCとサーバのデモを行った。64ビットOSは、強力なコンピューティングパワーを提供する。システムがより多くのデータを1クロックサイクルで処理し、より大量のメモリを使用することが可能になるからだ。

 Microsoftでは、64ビットのサーバOSの普及は急速に進むとみているが、デスクトップバージョンが広範に普及すると予想してはいないようだ。デスクトップPCベンダー各社が新プラットフォーム用のアプリケーションとドライバの不足を指摘しており、Windows XPの新バージョン採用の動きは鈍いものとみられる。

 WinHECでMicrosoftは、ハードウェアメーカー各社に対して新OS用のドライバの開発要請を繰り返す考えだ。両64ビットOSでは1万6000種類のドライバが同時に出荷される見込みだが、これは32ビットのWindows XPのときと比べて約半分の数字である。

 MicrosoftでWindowsを担当するグループ副社長のジム・オールチン氏は最近のインタビューで、「現時点で多くのドライバがあるが、全部出そろう必要がある。以前から存在する周辺機器も新しいドライバを必要とする」と語っている。

 既存の32ビットソフトウェアは新OS上で動作するが、32ビットドライバは動作しない。

 Adobe Systems、McAfee、SAP、Oracleなどのソフトウェアベンダーは、64ビット版Windows用のアプリケーションを提供する予定だ。Microsoft自身も、今年と来年にかけて数種類のアプリケーションのx64バージョンをリリースする計画だ。これにはSQL Server、 Exchange、Commerce Server、 Microsoft Operations Manager、Virtual Serverなどが含まれる。

 Microsoftのリードプロジェクトマネジャー、グレッグ・サリバン氏は、Longhorn(MicrosoftのWindowsシステムの次期版のコードネーム)に言及し、「Longhornが登場するまでは、今後も引き続き32ビット版のWindows XPを主に出荷する予定だ」と述べている。Windows XP Professional x64 Editionに移行する可能性が高いのは、ゲームユーザー、ゲーム開発者、デジタルメディア愛好家などの早期導入ユーザーだという。

 「つまりCPUをオーバークロックしたり、水冷システムを使ったりしているようなユーザーだ」(同氏)

 Longhornは来年末に登場する予定であり、Microsoftでは、それまでに大多数のデスクトップPCが64ビットベースになるとみている。しかしソフトウェアの切り替えにはもう少し時間がかかりそうだ。

 ドライバとアプリケーションの不足に加え、アプリケーションをテストする必要もあるため、64ビットの普及には時間がかかると予想される。このため、Microsoftでは32ビット版のLonghornも出荷する予定だ。

 Hewlett-Packard(HP)のビジネスデスクトップ担当マーケティングディレクター、ブライアン・シュミッツ氏は、「ほとんどのPCユーザーは、64ビット対応ハードウェア上で32ビットOSを走らせるだろう」と話す。

 「今後も多くのユーザーが32ビット版Windowsを使うと予想される。特に大手企業の場合は、64ビット版を評価するのに時間が必要だ」(シュミッツ氏)

 Dellは今のところ、「Dimension」デスクトップシリーズでコンシューマー向けにWindows XPの64ビット版を提供する予定はないとしている。同社の広報担当者リーム・グエン氏によると、64ビット機能を生かしたコンシューマー向けアプリケーションが不足しているからだという。

 Microsoftによるとx64版Windowsは、32ビット版よりも高い価格に設定されることはないという。現在64ビットハードウェアを所有しているユーザーは、32ビット版Windowsを無償でx64版に交換できるとしている。

 ビル・ゲイツ氏のプレゼンテーションでもLonghornがハイライトを浴びた。同氏は、ノートPCのディスプレイの裏側に装備した補助ディスプレイ(バッテリー状態、電子メール、予定表などを表示)などの機能を中心にモバイルコンピューティング分野でのLonghornの機能強化をアピールしたほか、Longhornのセキュリティ機能や管理機能についても説明した(関連記事参照)

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