ビジネス目標とアプリ開発の連携の必要性を強調したIBMRational Software Development Conference 2005(1/2 ページ)

ラスベガスで開催されているIBM Rational Software Development Conference 2005において、同社はビジネスとソフトウェア開発の連携の重要性を説いた。

» 2005年05月24日 19時49分 公開
[IDG Japan]
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 「ビジネスニーズとソフトウェア開発の連携は企業にとって重要な課題である」――5月23日にラスベガスで開催されたIBM Rational Software Development Conference 2005で、IBMの幹部はこのように語った。

 さらに同社は、チーム方式をベースとするプロセス指向の開発戦略を強調した。

 IBMソフトウェアグループのRational Software部門でマーケティングを担当するロジャー・オーバーグ副社長は、「優れたソフトウェアは業務の改善につながる」と述べた。同氏によると、優れたソフトウェアを開発するためには、アーキテクト、業務アナリスト、開発者、テスター、リリースマネジャーなどのスタッフが参加する必要があるという。

 Rational部門のゼネラルマネジャー、ダニエル・サバー氏によると、ROI(投資対効果)がとりわけ重要視される今日、ソフトウェアとビジネスとの間でよりよい連携が求められているという。「ソフトウェアエンジニアリングにおける成功のパターンを進化させることが当社の任務だ」と同氏は話す(関連記事)

 ある参加者は、ビジネス、プロセス、そしてソフトウェア開発を連携する必要があるという主張にうなずいている。

 「業務サイドの人間が、自分たちには何が必要であり、何が得られるのかを知る方法はそれしかない」と話すのは、カンファレンスに参加した保険会社The Hartfordの情報技術プロセスアーキテクト、ジョン・ガリス氏だ。「当社の経営者を代弁して言っているのではない」と同氏は強調する。

 サバー氏によると、ユーザー部門とソフトウェア開発部門との間で意志疎通がないことが、互いに責任をなすりつけ合うという状況を招いているという。

 「開発サイドは、業務部門を壁の向こうの世界だと考えがちで、開発作業が終われば、すべて壁の向こうに放り投げるだけだ。そして、開発したシステムがうまく機能しなかったり、拡張できなかったりすると、だれの責任なのかという議論が繰り返されることになる」とサバー氏は指摘する。

 サバー氏によると、IBMではソフトウェア開発とビジネスニーズとの連携を支援すべく、ビジネスの視点をソフトウェアライフサイクルに連携する一連のサービスを発表するという。この連携には「Rational Unified Process」のテンプレートとベストプラクティスを使用する。

 IBMは具体例な製品として、業務アプリケーションの問題を自動的に特定/修正することができるソフトウェアを披露した。従来のように問題の修正に何日も何週間もかかるのではなく、数分あるいは数時間で修正することが可能だという。この製品は、Rationalの開発/テストツールプラットフォームをTivoliのアプリケーション管理ソフトウェアに統合したもの。

ツール、サービス……盛りだくさんの発表

 カンファレンスで発表予定の製品としては、「IBM Problem Resolution Toolkit for Rational Application Developer」や「IBM Performance Optimization Toolkit for Rational Performance Tester」などがある。これらの製品は、ビジネスアプリケーションの問題特定のプロセスを迅速化・自動化するのが狙い。IBMによると、両製品は特にSOA(サービス指向アーキテクチャ)を構築中の企業にメリットがあるという。

 これらのツールは、TivoliのMonitoring for Transaction Performanceソフトウェアのトラブルシューティング機能を利用してトランザクションパフォーマンスの問題の診断と修正を行う。Tivoliのソフトウェアは、アプリケーションが動作している間、そのパフォーマンスと品質を監視する。

 サービス製品としては、「IBM Standard Deployment Service for Rational Portfolio Manager」「IBM Fast Track Deployment Service for Rational Portfolio Manager」「IBM Rational Project/Program Management Assessment Service」などが披露された。Rational Portfolio Managerは、ITプロジェクトの計画と管理に役立つ一連の機能を業務チームと開発チームに提供する。

 一方、「IBM Software Release and Deployment Service」と呼ばれるサービスは、Tivoli Configuration Managerを使ってRational ClearCaseとClearQuestの効率的な利用を支援する。

 ソフトウェア品質管理ツール用の新機能も披露された。Rational Performance Testerでは、アプリケーションテスト機能の使い勝手と精度を改善する機能が追加された。新しいHTMLレンダリング機能では、単にコードを表示するだけでなく、テスト中のWebページを表示させることができる。

 「IBM Rational Functional Tester Extension for Siebel Test Automation」は、Siebel 7.7アプリケーションを配備するユーザーが意図した通りにSiebelアプリケーションが動作するか確認することを可能にする。また「Rational Performance Tester Extension for Siebel Test Automation」と呼ばれるツールは、Siebel 7.7アプリケーションにロードテスト機能を追加する。これら2つのSiebel関連の製品は、60日以内に出荷される予定。価格はリリース時に発表される。

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