ビジネス目標とアプリ開発の連携の必要性を強調したIBMRational Software Development Conference 2005(2/2 ページ)

» 2005年05月24日 19時49分 公開
[IDG Japan]
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 アプリケーションサービスの開発に向けた取り組みでは、IBMはサービス定義をXMLドキュメントとして取得することを可能にする技術に注力している。この技術は、実装とは独自にサービスを記述するというもの。サービス定義をXMLドキュメントとして抽象化・モジュラー化することにより、ネットワーク上でやり取りできるようにするのが目的だ。

 さらにIBMはdeveloperWorksプログラムの一環として、SOAを実装するための各種リソースも発表する。サバー氏によると、ビジネスモデリング用の「Rational Unified Process」プラグインは、SOA用のプラグインおよびモデリング/表現ソフトウェアサービス用の2つのUMLプロファイルと連携して機能するという。

 カンファレンスでのそのほかのハイライトは以下の通り。

  • IBMによると、自社の変更管理システムClearQuestを通じて、地理的に分散した環境での開発を容易にするサービスの開発を支援するという。
  • IBMでは、コラボレーションとコミュニティーを構築するためのLotus機能を自社のソフトウェア開発製品に統合する計画だ。
  • サバー氏によると、IBMは「SOA Workbench」パッケージのデモを行ったが、まだ発表する段階ではないという。これは、新たに開発したサービスを配備済みのサービスに連携することを目的とした製品。
  • サバー氏は、Microsoftが開発中の「Visual Studio 2005」プラットフォームが企業のニーズに答えられるかどうかは疑問だとした。同プラットフォームはチーム方式の開発機能が売り物だ。「企業を相手にするというのはどういうことなのか、その基本的な要素を彼らはまだ理解していないようだ」とサバー氏は話す。同氏によると、Microsoftは相変わらず自社のプラットフォームだけに目を向けているという。
  • サバー氏は、「複合型アプリケーションというコンセプトはまだビジョンの段階だが、このビジョンはアプリケーション業界の様相を変えるだろう」と強調した。
  • サバー氏によると、人気の高いオープンソーススタックLAMP(Linux、Apache、MySQL、Perl/Python/PHP)は、基本的なアプリケーション用としてはいいかもしれないが、システムの拡大に対応することができないという。「LAMPのような特定モデルを基盤とするタイプの企業は基本的に、ある時点で規模を拡大する必要に迫られる」と同氏は話す。ただし、IBMはPHP(Hypertext Preprocessor)をサポートする予定だという。「Rationalを含む当社の各種プラットフォーム全体を通じて、PHP開発ツールの拡充を図る予定だ」(サバー氏)
  • IBMは開発ツールの取り組みで、Microsoft .NETを含む複数のプラットフォームをサポートする方針だ。また、チーム方式の開発機能も拡張するという。
  • 引退するRationalの共同創業者マイク・デブリンが拍手で壇上で迎えられ、挨拶を行った。「われわれは基本的に、あらゆる高成長分野はソフトウェアに頼るようになるという考え方から出発した」(同氏)
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