次期WindowsのLonghornでは、いくつかのソフトウェアモデルに変更が行われる。その中から、デバイスドライバに関するいくつかの情報をお伝えする。
5月24日に開催されたWinHEC 2005 Highlightsでは、Windows XP x64 EditionやLonghornのコードネームで呼ばれる次期Windowsに関しての、有意義な情報を収集することができた。ここでは、午後のブレークアウトセッションから、デバイスドライバ関連の情報についてまとめてみたい。
現在のデバイス(周辺機器)ドライバの抱える問題点の一つに、ユーザーに強いられている複雑なインストール方法がある。使いたいデバイスによって、デバイスドライバやアプリケーションを適切にインストールする必要があるが、メーカーやデバイスによって、プラグ&プレイが可能な場合、つまり、単にPCにつなげばよい場合と、デバイスをつなぐ前にあらかじめソフトウェアをインストールしなければならない場合がある。
箱書きやシールによる注意書きがあっても、ユーザーはそれらを読まずにデバイスを接続してしまう。すると、期待通りにデバイスが動作しないことになり、企業のヘルプデスクやメーカーのサポート窓口がこれらの後始末に追われるという話は容易に理解できる。
Longhornでは、デバイスドライバのインストール方法に新たな方法が導入される。Driver Storeと呼ばれる領域をwindowsフォルダのsystem32の中に確保しておき、ここにドライバパッケージを格納しておく。デバイスが接続された時にここを自動的に参照することで、確実にプラグ&プレイでデバイスを認識できるようにする。
Driver Store方式の利点は、ユーザーがドライバソフトウェアの入ったCD-ROMを紛失してしまったというような場合にある。従来であればヘルプデスクがユーザーをWebサイトに案内し、適切なドライバの場所を指示することになる。Driver Storeにドライバがあれば、こうした作業は必要がなくなる。
また、Driver Store方式はドライバのアップデートにも配慮されている。過去にリリースされた複数のバージョンのドライバを保持しておくことで、最新のドライバに不具合が見つかった場合などに、前のバージョンに戻すことも可能となる。
Driver Storeにドライバパッケージが存在しない場合はどうするのかという疑問が出るが、これにはいくつかの解決策が考えられている。企業内であれば、Systems Management Server(SMS)などの管理ツールを使ってドライバパッケージを配布するという手段だ。これには別の利点もあり、管理者が認証したドライバパッケージのみをDriver Storeへ配布し、ユーザーは制限アカウントのままでデバイスをプラグ&プレイできるようになる。安全性に関する二つの段階を経てデバイスドライバがインストールされることになるわけだ。管理者や企業のセキュリティポリシーに合わせて、インストールすべきデバイスドライバを選択することが可能となる。これにはグループポリシーにデバイスインストールのポリシーを設定することも含まれており、ActiveDirectoryによるデバイスドライバ管理も可能となる。例えばUSBフラッシュメモリは使用不可とすることで、情報漏えいに対応するというシナリオも考えられるようになる。
もちろん、企業内ユーザーだけでなく一般ユーザーであっても、Windows UpdateによってDriver Storeに最新のデバイスドライバをダウンロードすることが可能だ。Inbox Driver(あらかじめOSに組み込まれているデバイスドライバ)のように、デバイスを購入後、接続するだけで使用するといった本来の意味のプラグ&プレイも可能となる。
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