Longhornに向けて変わるデバイスドライバ(2/3 ページ)

» 2005年05月25日 15時49分 公開
[下村恭(ハンズシステム),ITmedia]

変わる、デバイスドライバのインストーラ

 デバイスを先に接続してしまったときの対処としてDrive Storeによるプラグ&プレイは有効だが、デバイスを使用する際に、アプリケーションが必要となるケースではどうだろう。この場合は、アプリケーションのインストールとデバイスドライバのインストールが同時に行われるのが望ましい。

 マイクロソフトでは、ドライバのインストーラを作成するためのDIFx(Driver Install Frameworks)という仕組みと、これをサポートするツールを用意している。昨年のWin HEC 2004でリリースされ、現在Ver.2.0となっているこのツールには、DPInstと呼ばれる、デバイスドライバのインストールを簡単に行うためのシンプルで汎用的なインストーラアプリケーションや、アプリと同時にデバイスドライバをインストールしたい場合に使用できるDIFxAppと呼ばれるインストールアプリケーション、それに、独自にインストーラを作成したい場合に使用できるDIFxAppと呼ばれるデバイスドライバインストール用のAPIなどで構成される。

 当日のセッションの中では、従来のINFファイルとドライバを用意したフォルダの中に、DPInstのexeファイルをコピーし、これを実行するだけでデバイスドライバが自動的にインストールされるところがデモされた。DPInstは単にデバイスドライバをインストールするだけでなく、Driver Storeにコピーしたりコントロールパネルにある「プログラムの追加と削除」の一覧にデバイスドライバをリストアップさせることもでき、デバイスドライバのアンインストールも簡単に行えるようにする役割も持つ。

 これらのツールは、今現在もすでに使用可能であり、これらのツールを使ってDriver Storeに対応しておくことで、WindowsをLonghornにアップグレードインストールした際に、自動的にデバイスドライバを引き継ぐことも可能となる(デバイスドライバ自体がLonghornに対応する場合)。

 これらのツールでは、ソフトウェアを先にインストールした場合については、アプリケーションの配布と、デバイスドライバのインストールが同時に行えるようになるが、ハードウェアを先にインストール(プラグ&プレイ)する場合には、FinishInstallActionと呼ばれる、インストールウィザードの追加されたDIFcodeで対応する。

 デバイスやアプリケーションのベンダーが使用して有意義なものであるが、これらのツールで作成されたインストーラが付属したデバイスを利用するユーザーにとっては、デバイスを接続するのが先でも、ソフトウェアをインストールするのが先でも、どちらでも同じ結果が得られるという利点がある。もちろん、ベンダーにはこれらのツールを使って、どのようなインストール方法がとられてもよいように、製品を構成するように求められることになる。

変わる、デバイスドライバの構造

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