エンタープライズアーキテクチャでは稼げない?企業と官公庁におけるEA導入事情(3/6 ページ)

» 2005年06月06日 03時51分 公開
[大野隆司(ヘッドストロングジャパン),ITmedia]

EAを構成するモノ

 それらのEAを構成する成果物・特徴としては次のものがあげられる。

  • 業務やシステムを描写したものであること。これは、ビジネス、データ、アプリケーション(システム)、テクノロジー(システム)の層で描写されている(図4)
  • この描写は現行(As is)と将来(To be)のものが描写されていること。
  • AS ISからTO BEへの移行方法が定義されていること

 むろん、対象とする成果物や、対象とする範囲(PMOなどの活動を含めて定義しているものものある)もさまざまだが、とりあえずこのように理解しておけば十分だろう。

日本での展開

 歴史的な経緯をみれば、米国ではシステム構築の大きな失敗が続いていたことを背景に、1996年に連邦政府機関でEAの策定が必要とされるなど、政府機関の予算要求時にEAに基づく計画の明確化が法律化されている。日本では2001年からのe-Japan計画での活動を受けて、2003年の夏に公表された「電子政府構築計画」の中で、EAの策定を2005年度中に全府省で行うとの旨が公表され、急速に注目を浴び始めた。

 2003年には多くのベンダーが主に官公庁や自治体をターゲットにしてEA関係のサービスを発信し専門の部隊の設立を立ち上げ、2004年に入ってからEA関係の書籍がいくつか出版され、今から一年くらい前にはEAは一時ブームの観を呈したものだった。かくいうヘッドストロング・ジャパンでも2003年の2月にエクゼクティブの方々を対象としたセミナーを開催したが、そこでUSでのEA担当のコンサルタントによる講演を行いかなりの興味を持っていただいたものだ。

 さて、2005年も半年を経過したが、現在のEAを取り囲む状況はどうだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ