IBM、Blue Geneを活用した脳の共同研究プロジェクト発足

IBMはスイスのEPFLと共同で脳の研究プロジェクト「Blue Brain Project」に取り組む。eServer Blue GeneをEPFLに導入し、いずれコンピュータによる脳のモデル作成につなげたい考え。

» 2005年06月07日 08時10分 公開
[ITmedia]

 米IBMは6月6日、スイスのEcole Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL)と共同で、脳に関する研究プロジェクト「Blue Brain Project」に取り組むと発表した。

 両社の研究者がIBMのスーパーコンピュータ「eServer Blue Gene」を使い、2年がかりで脳の新皮質の回路モデル作成に当たる。新皮質は人間の脳の中で最も大きく複雑な部分。プロジェクトを脳のほかの部分のモデル作成にも拡大し、いずれコンピュータを使った脳全体の正確なモデル作成につなげたい考え。

 脳の機能については未解明な部分が多く、プロジェクトではデジタルモデルを使って分子レベルで脳のシミュレーションを実行。思考、知覚、記憶といった内部プロセスの解明を目指す。自閉症やうつなどの原因と考えられている脳の極小回路の機能不全についても理解を深めたい意向。

 研究に使われるBlue GeneはEPFLに導入。ピーク時の処理速度は少なくとも22.8テラFLOPSとなる。

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