2005年もERP王者はSAP――AMR調査

2005年のERP市場の成長率は3%に低下し、SAPが43%、Oracleが19%のシェアを握る見通しだ。(IDG)

» 2005年06月16日 12時36分 公開
[IDG Japan]
IDG

 エンタープライズリソースプランニング(ERP)製品への支出は昨年、14%と大きな成長を見せたが、2005年はこの成長率が続くことはないだろうとAMR Researchは新たな調査報告書で予測している。同社は、今年のERPの売上高の伸び率は3%弱に低下するだろうと見込んでいる。

 「ERP市場は2004年、IT支出の改善に伴い自然に安定した成長を見せた」とAMRの調査担当副社長ジム・シェパード氏は今週公表した声明文の中で述べている。「この市場は企業の整理統合や、ERPベンダーが製品ポートフォリオを拡大するためにベストオブブリードで企業を買収したことにも影響を受けた。

 全体的に見て、買収は大手企業をさらに大きくした。AMRは今の5大ベンダー――SAP、Oracle、Sage Group、Microsoft、SSA Global――が2005年のERPベンダーの売上高のうち72%を占めると予測している。これに対し、1999年の5大ベンダー――J.D. Edwards、Baan、Oracle、PeopleSoft、SAP――が業界の売上高に占める割合は59%だった。

 SAPは2004年は特に好調で、買収なしで総売上を17%、ライセンス売上を20%伸ばした。

 同社は取引規模が小さくなる中で、何とかライセンス売上を伸ばすことができた。ERP購入者は大規模な製品購入から、ユーザーシート単位のライセンス購入や、徐々に機能モジュールを購入するやり方に移っているとAMRは指摘する。広範な値引きと、このトレンドにより、平均取引規模が縮小した。

 OracleはPeopleSoftの買収により、アプリケーション事業の規模を約2倍に拡大した。それにもかかわらず、SAPは2005年に43%のシェアを握り、Oracleを大きくリードする見通しだ。同年のOracleのシェアは19%と予想されている。

 サービス指向アーキテクチャ(SOA)への移行は、ERP市場に混乱をもたらすかもしれないとAMRは警告する。同社はまた、ERPベンダーは年商5000万〜10億ドルのミッドレンジ企業、年商5000万ドル以下の企業向けの製品に引き続き焦点を当てるだろうとも予測している。

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