このように、普段の仕事でよく使う、自分なりの「着眼点セット」を紙にまとめて、いつでも使える状態にしておきたいものである。他にも、「フレームワーク」を利用すると便利だ。ここで、一般的によく使うフレームワークをいくつかご紹介しておく。
経営計画の立案やその評価をする際に、重要なポイントが整理されたもの。「財務の視点」「顧客の視点」「プロセスの視点」「顧客の視点」から成る。
マーケティングのプランを検討や評価の際に外せない項目。「Price:価格」「Place:チャネル」「Product:商品」「Promotion:販促」の4つ。
プロジェクトの成否を左右する4つの項目を整理したもの。「計画」「リーダーシップ」「ツール」「当事者意識」の4つから成る。これらの要素がひとつでも欠けると、プロジェクトは頓挫する。
他にも、こうしたチェックリストやツールは星の数ほどある。あなたの所属する会社にも、いろんな方法論があることだろう。先人たちの英知の結集である。勉強し、活用しない手はない。
着眼点セットが使えると便利なのだが、前述の通り、手持ちのツールがうまく当てはまるような問題のほうが少ない。むしろ、ゼロからツールを考えなければならないケースのほうが多い。
また、仮にツールが当てはまったとしても、その具体的な中味を埋めるのは、作り手の創造力に委ねられる。創造力とは、結局「語彙力」だ。ボキャブラリーが少ないと、豊かな創造力を持つことはできない。語彙力にも2種類ある。それは、「ワーキング・ボキャブラリー」と「アイドリング・ボキャブラリー」だ。 *「アイドリング」は「遊休」の意。
ワーキング・ボキャブラリーは、自分で話したり、書いたりできる語彙。アイドリング・ボキャブラリーは、読んだり、聞いたりすれば理解できる語彙。
創造においてはワーキング・ボキャブラリーをいかに多く持っているかがカギとなる。しかし、両者の対比では、ワーキング・ボキャブラリーのほうが、圧倒的に少ない。正確に調べたことはないが、私の感覚では、1:100くらいではなかろうか。たとえば、こうして文章を書いている最中も、自分のワーキング・ボキャブラリーの貧困さを痛感している。
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