特集
» 2005年07月04日 00時00分 公開

ITILを深める サービスデリバリ編:第1回 ビジネスとITを結びつける (1/2)

技術中心のアプローチから運用品質の改善/向上のアプローチへ。ビジネスがどのようなITサービスを要求するか、に焦点を当てた「サービスデリバリ」。6回にわたってそのプロセスを紹介していく。

[インフォリスクマネージ,ITmedia]

 これまで多くの企業は、ベンダーや自社のIT部門に対して技術的なテーマを中心に要求してきた。しかし、今日ではサービスとしての品質を厳しく要求されており、ビジネスの期待に応えるための顧客中心型のアプローチに移行する必要がでてきている。既にITはビジネスの成功の多くを占める要因となっており、サービス品質の低下やコストの増大が企業にとって大きなインパクトを与える。

 本連載では、ITILの「サービスデリバリ」の考え方を解説していく。今回は、顧客がシステムに対して構築技術中心のアプローチから、運用品質の改善/向上のアプローチを強く求めるようになった背景について述べたい。そこには、「システムのオープン化」「Mosaicの登場」「外部からの侵入者」といった3つの要因が影響していると考えられる。

システムのオープン化

 システムのオープン化は、ハードウェアメーカー主導だったメインフレームを変革し、利用する顧客に大きなコストダウンと短納期を実現した。その結果、ベンダーの競争力はコスト削減と短納期が中心となり、システムを早くリリースすることがシステム構築の目的となった。ベンダーの見積書から「運用設計」のプロセスが割愛されることが多くなったのはこのころからように思える。

 そもそもオープンシステムの運用プロセスは、メインフレーム時代に培われた堅牢なものではなく、パソコンユーザーでもすぐに使えそうなGUIがあるため、構築技術ばかりを重視し、運用軽視に偏る傾向があった。

Mosaicの登場

 それまで情報システム部門は、社内ユーザー、もしくは特定ユーザーだけを対象にシステム設計、運用計画を考えていればよかったが、Mosaic以降(実に昨日のことのような気がするが、マーク・アンドリーセン氏のMosaic開発からすでに10年以上が経過している)、システムは社外の不特定ユーザーも利用対象となり、翌日には倍に増加するシステムアクセスやトランザクションに対応しなければならなくなった。

 それまでシステムのキャパシティ計画は、ビジネス時間内の社内の人員増や売上に応じたビジネストランザクションの増減に応じて、比較的に静的に実施されていた。それが、当初計画の仮説と照らし合わせながら24時間365日監視、計測するしか有効な手段がない状況となった。それでも予想外のことはしばし発生する。そのため、いかにシステム設計に柔軟性をもたせるかが重要になってきた。

外部からの侵入者

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