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» 2005年07月04日 13時51分 公開

Intelはいつも腕力でライバルをねじ伏せてきた

Intelの「ハードな交渉術」は創立者アンディ・グローブ氏から受け継がれたものだ。AMDによる提訴を機に、Intelはライバルへの態度を改めるべきではないだろうか。

[David Coursey,eWEEK]
eWEEK

 この業界に身を置くようになって以来、わたしはほとんどいつも、競合と顧客、双方に対する米Intelの腕力の強さを観察してきた。米AMDが訴訟を起こしたことにも驚かなかったし、まだ証拠は見ていないがAMD寄りの見解を支持している。

 Intelは、革新力と、ストリートファイター的な驚くべき押しの強さで世界最大の半導体企業に成長した。

 いつも驚かされるのが、Microsoftが周り中から叩きのめされているのに対し、Intelはまんまと攻撃を免れていることだ。ライバルと顧客を牛耳ることにかけては、MicrosoftがIntelに優るものは何もない――少なくとも、噂と訴えを信じるのなら。

 わたしがまだInfoWorldに勤めていたころにさかのぼるが、Intelと競合する演算コプロセッサを手掛けるCyrixという企業があった。Cyrixが存在できたのは、IntelがTexas Instruments(TI)と、同社によるCyrix向けチップ製造を許可する協定を結んでいたからだ。

 わたしは当時、Intelが署名し、後に延長までしたその特許クロスライセンス契約を実際に読んだ。TIとCyrixの行動は明らかに契約に準じたものだったにもかかわらず、IntelはCyrixを提訴した。Cyrixは裁判に勝ち続けたが、Intelは10年近くCyrixを法廷の場に縛り続けた。このためCyrixは事業を拡大できず、わたしが思うに、Intelによるすべての訴訟行為はこれが狙いだったのだ。

 CyrixについてのWikipediaの記事には、同社のNational Semiconductorへの売却、そして最終的にVia Technologiesに売却されるまでの話が含まれている。

 IntelがCyrixを提訴したのは、そうすべき根拠があったからではなく、Intelが大企業でCyrixが非常に小規模な、かつ邪魔な存在だったからだ。Intelは訴訟という手を使って、市場での達成を阻む者を排除したのだ――そしてIntelは今、AMDに対して同じことを主張している(6月28日の記事参照)。

 このストリートファイター的なメンタリティーは、かつてアンディ・グローブ氏が培ったIntelカルチャーの副産物であることに疑いの余地はない。同氏率いるチームはハードな交渉術を持っていた。どれだけの交渉術がIntelの成功に寄与したかを知ることは難しい。しかしこれらが、とりわけIntelが成長するにつれ、そして交渉相手が多くなるにつれてIntelが優位になったことは間違いない。

 ここ何年かの間に、ほかにもIntelに対する訴訟が起こされているが、わたしがIntelの競争体質に対する自分なりの見解を形成したのは、この対Cyrix訴訟――InfoWorldに記事を書いたので、わたしには最もなじみ深い――だった。わたしは当時Intel幹部だったデビッド・ハウス氏に、Intelは訴訟を競争上の武器として利用したと認めさせたことさえあった。

 したがって、わたし自身はIntelにさほど同情することはなく、直感で、AMDは訴訟を起こす根拠を持っていると信じている。

 しかしだからといって、Intelの非凡な技術的および商業的貢献に対してわたしが払う敬意が揺らぐことはない。総じて平均以上の企業文化を持ち合わせるIntelは素晴らしい企業である。ただ同社はダークな面も持ち合わせており、Microsoftが競合と戦ったときよりも効果的にそれを利用していると、わたしは考えている。

 希望としては、Intelがこの新たな訴訟を通じて、Microsoftが最近自ら示したように賢明な企業に成長して欲しい。この2つの巨大企業をトラブルに巻き込んだ類の行為――事実が1つでもあるとしたら――は、はるか昔の話なのだから。今こそ、IntelはMicrosoftのように「礼儀正しい勝者」の輪に入るべきだ。

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