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» 2005年07月11日 22時29分 公開

OSS Roundup Report:コミュニティーの意志? 何それ?――OSS Roundupにて

オープンソースのコミュニティーが企業の論理で動かされているのではと質問者。その議論はコミュニティーを仮想的な生物のように扱うことの違和感へとつながっていく。

[西尾泰三,ITmedia]

質問:コミュニティーが企業の論理で動かされていないだろうか。コミュニティーのあり方とはどうあるべきか

佐渡氏

佐渡 コミュニティーとは何かを考えさせられる質問ですね。僕の感覚ではオープンソースにかかわる企業はその企業もコミュニティーなのです。オープンソースもあまりお金が絡まないとはいえ経済活動には変わらないわけで、そこでの企業の活動に金銭が絡むか絡まないか、その程度の違いしかないと思うんですね。僕からするとオープンソースを始めたころからコミュニティーという言葉は非企業とか非金銭的なものを指して使ってはいなかったように思います。

八田 質問ではこうありますが、実際に企業が金の力などでコミュニティーの方向性をねじ曲げた事例があるのかを問いたいですね。最近Ubuntu Linuxっていう南アフリカかどこかの企業がバンバンお金を支援しているDebianベースのディストリビューションがあって、やもするとコミュニティーが隅に追いやられたかのような事例に見えるわけだけども、これもよく考えれば、お金をもらってUbuntu Linuxを良くしようとした成果も結局はDebianのためになるわけなんですよ。だから質問の意図がよく分からない。

まつもと オープンソースを語るときに、コミュニティーという単語が非常に重要な単語と言われるわけですが、僕自身非常に違和感があります。僕はそのコミュニティーという人に会ったことはないので。にもかかわらず、オープンソースには生き物がいるかのような文脈を見かけることも珍しくない。「コミュニティーの意志が……」みたいな。何それ? って思いますね。

小飼 拡大解釈すると国も立派な幻なんです。もしコミュニティーが幻だとするのなら。

まつもと (オープンソースのコミュニティーは)国よりも幻度は高いですね。この世の多くは幻なんですが、コミュニティーはとりわけ幻で、議論の立脚するに足りないくらいのもの。企業がお金を出すというならそれは歓迎ではないのでしょうか。企業の論理というのがよく分かりませんね。

小飼 質問者は企業というのを「集金マシンとしての人の集まり」と考えているのでは?

まつもと 金がまつわるのはよくないというふうに先入観としてとらえているようですが、オープンソースプログラマーも霞を食って生きてはいけないので、お金出してくれる企業がいるならそれは大喜びです。支援企業を募集しているプロジェクトも多いので、オープンソースを理解している人で経営判断を行う立場にある企業の方は積極的に支援してほしいと思いますね。

小飼 お金って究極の言葉だと思うんですよ。命令系の言葉の中では一番強くて、一番誤解を生みやすい。お金を集めるというのは社会に対する発言権を集めているという側面もあるわけです。ただ、ハックをしてコードを出すのも、お金を出すということも、発言権の公使に近いところというのはあると思います。

 しかし実際のところ、オープンソースにおける人間の思考や集まりというのは、お金ほど洗練されていない。わたしがオープンソースに注目しているのは、そうした人間の思考や集まりを、お金とまでは言わないがもう少し洗練された形で、理論化したいと考えるからです。そういう意味ではお金というのはすごく誤解を生みやすい言葉ではあるけれども、ものすごく乱暴な言葉でもある。皆さんにもお金についてもっと哲学して欲しい。

まつもと 非常に大きな……。

八田 いったい何の話なんだ(笑い)。

佐渡 日本ではお金が不浄なものという印象がある気がしますが。リチャード・ストールマンだってそこそこ……、この5人のなかでも、小飼さんの次にお金持ちなんじゃないかなと。

八田 長い間貧乏でしたけどね(笑い)。



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