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» 2005年07月14日 22時01分 公開

富士通社長が語った「現場でやり残したこと」

「富士通フォーラム2005」において同社社長の黒川博昭氏は、富士通自身を例に使いながらITを使った現場の改善例を紹介した。

[垣内郁栄,@IT]

 「人とIT、プロセスの見える化で現場の改善を続ける」。7月14日に始まった富士通のプライベートイベント「富士通フォーラム2005」で、同社代表取締役社長の黒川博昭氏はITを使った現場の改善例を紹介した。

 顧客の事例はもちろんだが、自社の改善例も多く発表。「フィールドには、やり残したことがたくさんある」として、ITの積極活用を呼びかけた。

黒川社長 富士通 代表取締役社長の黒川博昭氏。富士通はクール・ビズ実施中。黒川氏はジャケット着用で登場し、講演冒頭に脱いだ

 黒川氏が真っ先に紹介したのが富士通の保守サポートの事例。同社の保守サポートは、全国約850カ所のサービス拠点で、120万サイトにおよぶ顧客システムをサポートしている。サービスエンジニアは約8000人で、190万点の部品を配備するパーツセンターは全国300カ所。全体の94%が2時間で現場に駆けつけられるエリアとなっている。

 富士通が考えたのは、顧客のサイトをネットワーク化することによる、サポートの効率化とサービス品質の向上だ。「日本中を1つの現場と考えて、顧客をネットワーク化すれば、サービスエンジニアの出動が減る」(黒川氏)。

 具体的にはハードウェア障害の予兆を検知して通報するシステムや、構成情報の収集システム、稼働状況のロギングシステムを導入。障害を監視、予知できる体制にした。

 新システムの導入によって、同社のUNIXサーバ「PRIMWPOWER」1台に占めるエンジニアの出動率は年間21.4%から17.4%に低下。トラブルの修復時間も2時間21分から1時間41分に下がったという。

 黒川氏は、「この結果だけで満足してはいけない」として、稼働状況の自動収集から障害予兆の把握、保守の実施、保守サービスのスピード向上というサイクルを、継続的に続けることが重要と指摘した。

 黒川氏は富士通のシステムプロダクト製品の“棚残”(棚卸残高)についても説明した。富士通の製品は5000種以上あり、部品点数は数百万個。1日当たりの在庫データは30万件におよぶ。そして、棚残の管理はそれぞれ個別のシステムで行っていて、確定するまで2週間かかっていた。

 富士通は、各システムが出力する明細データを、XMLデータベースエンジンの「Interstage Shunsaku Data Manager」で管理することを決定。複数のシステムから出力されるバラバラな仕様のデータをXMLを使って柔軟に収集できるようにした。

 検索機能などを使って「リアルタイムに棚残が見えるようになった」。Shunsakuの導入によって、棚残のデイリー更新が可能になり、確定までの日数は2週間から2日に短縮できたという。

 黒川氏は富士通の今後の方向性として、「企業の変化に追随できるITが必要。サービスを軸に情報システムをつなぐことを目指す」と述べ、SOA環境の整備を急ぐ考えを強調した。

 黒川氏はSOAの要素として、モニタリング、サービス管理、データ統合を挙げたうえで「特にモニタリングが重要だ。内部統制が注目されている中、トランザクションの監視が1つの解になる」と述べた。

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