7分で分かる6月のBlog界dev blog/CMS(2/3 ページ)

» 2005年07月15日 17時21分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 しかし、サービスによっては特定のBlogサービスのみに限定しているものや、複数のBlogサービスまで包括して検索できるものまでさまざまだ。

 3月25日にベータリリースされていた楽天広場のBlog検索「楽天広場ブログサーチ」は6月に正式公開された(関連記事)。また、自分の楽天広場に掲載可能な、キーワードサーチ機能などの楽天ボックスもリリースされている。

 続く6月28日には、「gooブログ」がBlog検索機能を大幅に強化し、国内No.1のBlog検索サービスを目指すと発表している(関連リンク)。検索対象記事の最大化を図り、2005年度末を目処に約1億記事にまで拡大するという。国内最大のデータベース量によるBlog検索を提供するとの狙いだ。総数からも、gooブログだけでなく国内で提供される著名なBlogサービスが網羅され、加えてpingを発していないBlogをも検索対象として取り込むという。

 これらBlog検索サービスが最近のトレンドとなっているが、注目したいキーワードの1つだ。しかし、このBlog検索サービスによる情報収集自体が、更なるサーバ負荷を生む可能性もある。この点は今後の課題として残されるのかもしれない。

Blogサービス間のユーザー移動、加速するか?

 1年前と比べると、Blogサービス数が大幅に増えた。それだけでなく、ホスティングサービスでもBlog機能を提供するベンダーが見られるなど、ユーザーの選択肢は大いに広がってきている。しかし、簡単にBlogサービスを移行できるかというとそうでもないことがある。これまでに蓄積したBlog投稿記事の移行問題だ。

 移行したいと思っても、サービスによっては難しい場合があるが、あえて移行しやすいよう環境を整えるところもある。このようなサービスが増えることで、Blogユーザーが特定のサービスに固執せず移動できることが加速するのかどうか? 意外と見過ごされがちなのは、本文は移行可能であっても、写真までは容易とはいかないケースだ。

 NECの「BIGLOBE」が提供するBlogサービス「ウェブリブログ」の動きでは、6月20日に「インポート・エクスポート機能」などを含む機能強化を実施した(関連記事)。複数記事を一括バックアップできるほか、Movable Type 3フォーマットの記事データも一括登録が可能というものだ。この機能追加によって、他サービスのユーザー取り込みができるかどうかがポイントとなる。

Blogを時系列で読むというニーズの変化

 Blogといえば、常に新しい情報が上に表示され、下に行くほど過去の投稿記事になっている。しかし、記録投稿などを順番に見たいなど、時系列順に読みたい場合には不便なこと、この上ない。この状況に対応したのが、シーポイントが提供する「てぃーだブログ」だ。6月21日、新機能として記事の並び替え機能を追加した。これまでの最新順表示のほかに、投稿順の表示も可能としたのだ(関連記事)。これまでのBlogとは逆転の発想だが、他のBlogサービスも追随するところが出てくるかどうかに注目だ。

 ちなみにMovable Typeでは、タグ属性ひとつで時系列表示の変更が可能だ。そのようなインタフェースを実装するかどうかに判断が任せられている。

Blogの出版も新形態へ

 Blogからの出版は、これまでにさまざまな形態が模索され続けてきた。最初は自費出版のような形だけだったが、出版社もBlogに注目することで、一般の書籍と変わらず本屋に並ぶケースが増えている。この流れは、今後も加速していくだろう。

 その中で、Blog出版の新サービスがスタートした。6月10日に総合メモリアルアートのデータクロスが提供を開始した「ブログぼん」だ(関連記事)。これまでのように、型に限定されず予算に応じたオーダーメイドができるのが特徴だ。

マスコミのBlog配信も進む

 Blogというのは、米国を中心として多くの一般ユーザーをジャーナリストにしてきた。あるいは、マスコミやメーカーサイドの企業内個人が会社の業務を離れ、自らBlog投稿をしているというケースも多々ある。そして、それらの記事を書くにあたって、多くのブロガーは記事をリンク、あるいは引用をして持論を展開している側面が多かった。しかし、そのニュースソースたるマスコミはどうかというと、せいぜいがRSSを配信するだけであり、多くはWebで記事を配信するスタンスが目立っている。

 その一方、世の中に普及するBlogの動きを見て、情報配信自体をBlog化する動きも目立っている。6月28日に発表された、フジサンケイビジネスアイの「ビジネスアイブログ」もその一例だ(関連記事)。この事例は、Blogのコメントやトラックバックといった機能を活かし、読者との双方向のコミュニケーションを強化することだという。さまざまな読者の声を紙面作りに反映するというものだ。すでに7月4日にスタートしているが、目論見通りに進むかどうかは、これから結果が出てくることだろう。

 また、オリコンの全額出資会社であるオリコンDDは、6月20日正午から「ORICON STYLE」サイトで音楽情報サイトとしては国内初のBlogサービス「オリコンブログ」を開始した(関連記事)。アーティストや業界人の情報発信だけでなく、一般ユーザーも無料で開設できるところが、新聞などのマスコミ系Blogにはない、エンターテイメント系Blogの特徴だろうか。

 アイティメディアでもITの次が読めると題した「オルタナティブ・ブログ」が開始されている。

ポッドキャスティングによる「聴く」Blogは浸透するのか?

 最近は、各種サービスによるポッドキャスティングへの対応が進んでいる。これはひとえにiPodなどのMP3プレイヤーが爆発的に普及している所以だろう。最近ではケータイでも聞くことが可能なことからも一大ムーブメントとなっている。そしてポッドキャスティングの特色である主としてテキストで配信されるBlogを「聴く」ことによって、どのような発展があるのか。今後の動向に注目したいところだ。

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