BIへ本格参入するMicrosoftのインパクトビジネスインテリジェンスの行方(2/2 ページ)

» 2005年08月11日 20時57分 公開
[梅田正隆ITmedia]
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初のスコアカード・アプリケーション「Maestro」のインパクト

 Microsoft初となるBI製品が今秋リリースされる。コードネーム「Maestro」で知られるBIスコアカード・アプリケーションだ。Maestroは、現在、無料で配布されているMicrosoft Accelerator for Business Scorecardsを強化し製品化したもの。

 ユーザーは、自分のデスクトップからスコアカードにアクセスして日常的に業績評価を行えるようになる。Meastroは、Webサーバベースの製品であり、SharePoint Portal Serverと同居して動作する。データソースへのアクセスは、通常、SQL ServerのAnalysis Sevicesのキューブから間接的に行われる。クライアントは、スコアカードを図や表として表示させるために、Office Webコンポーネントをブラウザにプラグインする必要がある。

 MicrosoftではMaestroの価格について発表していないが、スコアカード・アプリケーションを提供するCognosやBusinessObjectsなどの競合ベンダー製品よりも価格を抑えてくるものと見られる。

気になるSAPとの連携

 BI市場に本格参戦するMicrosoftの動きの中で、気になるのがSAPとのパートナーシップだ。MicrosoftのBI戦略の背後には「SAPとの連合がある」との見方をする人もいる。両社は、2005年4月にmySAP ERP 2004とMicrosoft Office 2003とを連携させるソフトウェア製品「Mendocino」を発表した。

 1年前、両社は提携を発表した際に、Microsoft .NETとSAP Netweaverの統合を進め、SAPのソリューションとMicrosoft Office Systemとの相互運用性を高めていく方針であることを表明していた。Mendocinoは共同開発の代表的な成果といえ、2005年第4四半期に出荷される予定だ。

 2005年6月、SAPはモニタリングとレポーティングの新製品「SAP Analytics」を発表したばかり。協力も競争も続けるとする両社の動きもまた、BI専業ベンダーにとってビジネス上の脅威となりそうだ。

*1)Directions on Microsoft 日本語版 2005年2月号「SQL Server 2005のデータ統合サービスを検証」より

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