MS、BIソフトウェア「Maestro」を推進へ

Microsoftは5月10日、商用BIアプリケーションの非公開ベータ版をリリースした。これは、エンドユーザーを対象としたBIのフロントエンドコンポーネント市場に参入することを意味する。

» 2005年05月12日 18時18分 公開
[IDG Japan]
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 Microsoftは5月10日、同社初の商用ビジネスインテリジェンス(BI)アプリケーションの非公開ベータ版をリリースした。このアプリケーションは、企業ユーザーがデスクトップ上のスコアカードにアクセスし、業務指標に対する実績の測定を可能にするというもの。

 「Maestro」のコードネームで呼ばれるこのアプリケーションは、今秋の後半にリリースされる予定。MicrosoftのOfficeビジネスアプリケーション部門でビジネス開発を担当するディレクター、ライアン・ブーマ氏によると、Maestroはサーバベースの製品で、MicrosoftのBIプラットフォーム(SQL ServerやAnalysis Servicesなど)のデータをデスクトップに取り込む。これにより、Microsoft Officeユーザーは、日々の業務プロセスの一部として、これらのデータにアクセスできるようになるという。

 「この製品は、OfficeスイートをMicrosoftのBI技術に連携させるものだ。ユーザーは、日々の業務および意思決定を行う場所で重要なビジネスデータを必要としている。従来、こういったデータはERPシステムの中に閉じ込められていた」とブーマ氏は話す。

 BIスコアカードアプリケーションのMaestroは、企業が主要な業務パフォーマンス指標を定義し、ユーザーが自分の業務実績をこれらのゴールに照らし合わせて測定することを可能にする。ブーマ氏によると、従来、スコアカードシステムは主に幹部レベルの社員向けに限定されていたが、最近の企業は現場の従業員にもこういったシステムを導入したいと考えているという。

 「従業員は担当している顧客への販売や自分の担当地域が、会社の売り上げ目標にどのように貢献しているのか把握できるようになる」と同氏は説明する。

 MaestroはSQL Server、Reporting ServicesおよびAnalysis Servicesからデータを収集し、ポータルサーバのMicrosoft SharePointを通じて、そのデータをユーザーに提供する。

 マサチューセッツ州フレーミンガムの市場調査会社IDCのアナリスト、ダン・ベセット氏によると、今回の動きは、エンドユーザーを対象としたBIのフロントエンドコンポーネントの市場にMicrosoftが参入することを意味するという。

 「Office、特にExcelは、BI向けツールとしてナンバーワンの地位にある」とベセット氏は指摘する。

 「MicrosoftはExcelを通じてBI機能の一部を提供することで、この種のインタフェースを求めるユーザーをしっかりとつかんでいる」(同氏)

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