Seasar――実践から生まれたアプリケーションサーバ「あなたの知らないオープンソース・ソフトウェア」

この世にはさまざまなオープンソース・ソフトウェアが存在する。しかし、世に知られていないものも多い。そこで夏休み特別企画として、さまざまな分野の特選オープンソース・ソフトウェアを紹介しよう。

» 2005年08月18日 07時58分 公開
[中津川篤司,ITmedia]

 実践に敵う理論なし、常にそう心掛けて物事に取り組むようにしている。確かに理論を知ることは必要だ。しかし理論のすべては実践のため、新たな理論を導くための理論は研究職に任せるべきだ。

 パッケージ・ソフトウェアでよくありがちなのが、最大公約数的要望の実装か、万人の要望を叶えてしまう開発方針だ。利用するターゲットの像が出来ていない状態で開発が行われてしまうと、市場と投入した商品のミスマッチが起こってしまう。これはオープンソースでもいえる場合がある。

 やはり実践で必要とされる機能を実装していくのが最も望むべき姿であろう。ここで紹介するオープンソース・ソフトウェアはSeasar、実践から生まれたJavaアプリケーションサーバだ。現在、このプロジェクトで開発されているプロダクトは、SeasarV2コア、SeasarV2を基盤として動作するSeasarV2プロダクト、Sandboxと大きく3つに分類され、Seasar Software Licenseの下で提供されている。

 Seasarのコンセプトは「J2EEの解体と再構築,易しさと優しさ」。その中でトランザクション管理やコネクションプーリングと言ったJ2EEの売りを簡単に利用できるようにしている。

 もともと外国為替取引システム用にそれらの機能が必要とされており、使い勝手の良いアプリケーションサーバを求められていたことで開発がスタートされている。実際に利用されることでバグフィックスされ、そして実際に運用で利用されている。正にニーズと理論がぴたりと一致したわけだ。

 さらに現在のバージョン(SeasarV2)ではそれらの機能を普通のJavaのクラスからも利用できるようになっている。利用者の視点に立ち(Seasarを開発した比嘉氏自身、インテグレータの技術者)、実践で使えるものを提供している。理論は実践の中で培われ、次なる理論へと反映されているのだ。

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