広域イーサネットを海外にも、テルストラ

オーストラリア最大手の通信事業者、Telstraの日本法人であるテルストラ・ジャパンはアジア5カ国を結ぶ「国際イーサネット・サービス」を開始する。

» 2005年08月31日 10時00分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 オーストラリア最大手の通信事業者、Telstraの日本法人であるテルストラ・ジャパンは8月30日、日本を含むアジア5カ国を結ぶ「国際イーサネット・サービス」を開始することを発表した。

 専用線やフレームリレー、ATMといった「レガシー型接続」に対し、安価で透過的に拠点を接続できる広域イーサネットサービスは、拠点間を結ぶWAN回線として国内で普及してきた。「アジア太平洋地域全般で、レガシー回線からイーサネットベースのIPネットワークへの移行が進みつつあるが、中でも日本ではその動きが顕著だ」(テルストラ・グローバル・ビジネス・アジアのリージョナルディレクタ、ジョン・パイタリディス氏)。

 テルストラの新サービスはこの範囲を海外にも広げるもので、国内のみならず海外の拠点についても、同一のLAN内にあるかのように接続できる。他の事業者が提供する国内の広域イーサネットサービスは、ゲートウェイ経由で接続可能という。

 サービス提供地域は日本のほか、中国(上海、深セン)、香港、台湾、シンガポールの5カ国。引き続き他国/地域での提供を検討し、速ければ2006年の早い時期に、アジアのいくつかの地域を追加する計画だ。インタフェースはイーサネット/ファストイーサネットもしくはギガビットイーサネットで、提供帯域は最大1Gbpsまでで、2Mbpsから最大45Mbpsまでの単位で柔軟に選択できるという。

 「サービスのポイントは3つある。1つは、CPE/ユーザー側宅内機器やアクセス回線がより低価格であること。シンプルな(イーサネットという)インタフェースを利用できること、そして、利用した分だけ課金する拡張性の高い帯域幅を提供できること」(パイタリディス氏)。たとえば東京-上海の2拠点を2Mbpsで接続する場合、従来の国際専用線を使用するサービスに比べ最大で30〜40%のコスト削減になるという。

パイタリディス氏 テルストラ・グローバル・ビジネス・アジアのリージョナルディレクタ、ジョン・パイタリディス氏

 同社では、MPLSを利用したIP-VPNサービスも提供済みだが、IP-VPNはより高いマネジメント/サービスを求める顧客向け、国際イーサネットはシンプルかつコストパフォーマンスを求める顧客向けという具合に提案し分けていくという。

 2006年にも完全民営化を控えるTelstra。現時点ではレガシー型サービスとIPベースのサービスの比率はちょうど半々だが、「国際イーサネットをはじめとするサービスを通じて、IPベースのサービスの割合を60〜70%までに高めていきたい(パイタリディス氏)。

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