Oracle OpenWorld開催、メッセージは「Power」から「顧客志向」へOracle OpenWorld 2005 San Francisco Report(1/2 ページ)

「Oracle OpenWorld 2005 San Francisco」が開幕した。彼らから「顧客志向」のメッセージを耳にすると、エンタープライズソフトウェアの市場が大きな転換期に差し掛かったように感じられる。

» 2005年09月20日 11時54分 公開
[谷川耕一 ,ITmedia]

 米国時間9月19日朝、セッション開始の1時間も前からキーノート会場の前には長い行列が出来上がっていた。サンフランシスコのモスコーンコンベンションセンターで「Oracle OpenWorld 2005 San Francisco」が、過去最大となる3万5000人の参加者を集めて開幕した。

 初日は「Middleware Monday」ということで、Oracle Fusion Middlewareの話題を中心に、Oracle Information Architectureから発展させた、新たな「Oracle Fusion Archtecture」の発表が行われた。

顧客志向の3つのキーワードを示したフィリップス社長

 オープニングキーノートのステージに登場したチャールズ・フィリップス社長は、Oracleの企業活動の命題ともいえる「すべてにおいて、より良い情報を低コストで提供すること」を改めて提起し、それを実現する方法論として「Protect」「Extend」、および「Evolve」の3つのキーワードを示した。

 Protectは、顧客の既存の投資を守ること。顧客が現在の環境を保持したいのであればそれを無理に変えさせることはなく、現在の製品についても永続的に保護していく。Extendは、製品群を拡張し続けること。顧客や市場は、常に新しい技術の活用に関心を持っている。Oracleの自前製品はもちろん、買収した製品に関しても機能強化を続けていく。Evolveは製品の革新、進化はもちろん続けていくのだが、それを顧客にとって最適なペースで提供していくということだ。

 これまでOracleのイベントというと、「Power」や「Unbreakable」など技術に裏付けされた力強いキーワードがメッセージとなっていた。ところが、今回のイベントで盛んに登場してくるのは、「Customer Benefit」や「Customer Requirement」など「顧客」に関するものが極めて多い。

 Oracleは、PeopleSoftの買収を含め、ここ半年のあいだに実に9社を買収し、一気に顧客ベースを拡大した。新たに加わった顧客への細心の配慮がここからも伺える。

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