企業パフォーマンス管理とは何だろうか?特集:データ経営でビジネスを制す(2/4 ページ)

» 2005年09月26日 00時04分 公開
[栗原 潔,ITmedia]

問題点1 経営者への情報提供のやり方

 問題点の1つとして、経営層に対して適切なユーザーインタフェースを提供できていなかったことが挙げられる。

 もちろん、EISにおいては経営層向けの使いやすいインタフェースが提供されていることが売り物になっていた。しかし、多くの場合、十分使いやすいとは言えなかったようだ。経営層の任務はビジネス上の意思決定を行うことであり、システムの操作を行うことではない。

 経営層には、システムの操作マニュアルやヘルプ機能を調べている時間がない。逆に、そういう余裕がある経営者がいれば、そのことの方が問題であるかもしれない。つまり、一般ユーザー向けの使いやすさを、さらに一段進めた簡易かつ直感的なインタフェースが必要だったということだ。

問題点2 データの質

 2つめの問題点として、データの鮮度や詳細さが十分ではなかったことも指摘できる。

 EISが提供する経営層向けのハイレベルのレポート画面で何らかの問題が判明したとする。ここで、さらに詳細な最新の情報を分析しようとしても、EIS内では詳細情報が提供されておらず、結局、他の分析システムを立ち上げたり、「Excel職人」のスタッフに頼んでレポートを作成してもらったりということが必要となることがあった。

こうなると、最初からEISなどは使わないで、必要なレポートはその都度スタッフに頼んで作ってもらえばよいうという状況になってしまう。

問題点3 アクションにつなげなかった

 3つめは、データの分析がアクションに結びついていなかった。

 データの分析により経営上の問題が判明したとする。もちろん、事はこれで終わりではない。分析結果を、問題解決のための経営上のアクションに結びつける必要がある。

 しかし、これは必ずしも容易なことではなく、掛け声だけで終わってしまったり、問題の判別から解決策の実現までに長い期間を要したしまうことも多かった。

 つまり、分析系と実行系の間にギャップが存在していたということだ。これは、あらゆる分析システムにおける課題と言えるが、EISの目的は経営層の意思決定を直接的に支援することであることから、特に問題が大きかったと言えるだろう。

過去のEISの問題を解決するCPM

 今日のCPM製品は過去の失敗を繰り返さないようさまざまな新しい解決策が導入されている。

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