企業パフォーマンス管理とは何だろうか?特集:データ経営でビジネスを制す(3/4 ページ)

» 2005年09月26日 00時04分 公開
[栗原 潔,ITmedia]

問題点1の解決策

 問題点1(経営層に対して適切なユーザーインタフェースを提供できていなかった)の解決策を考える。

 GUI技術の発展、およびパソコンの処理能力向上により、今日の経営ダッシュボードはかなり使いやすいものとなっている。まさに、自動車のダッシュボードのイメージでKPIがメーターやゲージの形式で表示され、問題がある部分は色を変えるなどの表示により、瞬時に判別できるようになっている。

 また、画面のカスタマイズ機能も強化されており、経営者のニーズに合わせたダッシュボードの構築が可能になっている。

問題点2の解決策

 問題点2(データの鮮度や詳細さが不十分)は、過去におけるEISが他とは独立したシステムになっていた点に起因する。

 一方、今日のCPMシステムは、既存のビジネス・インテリジェンスやERPなどのエンタープライズアプリケーションと統合した形で構築することが前提となっている。つまり、必要に応じてサマリー情報から鮮度が高い詳細情報にドリルスルーして、レポート作成や分析を行える環境が提供されているということだ。

問題点3の解決策

 3つの問題点の中でも、問題点3(データの分析がアクションに結びついていなかった)は最も困難な課題だ。今日の最先端のBIシステムでも、分析系と実行系のギャップの問題は完全に解決されているとはいえないからだ。しかし、この領域でも改善の方向性はみられる。

 1つは、分析系システムと予算計画系システムとの統合である。これにより、必要なアクション(たとえば、事業の撤退や新製品の投入など)をとった場合に企業としてどのようなインパクトがあるかを迅速に分析することが可能になる。また、実際に必要なアクションを取る場合の予算確保も容易になるだろう。

 もう1つの動きはBPM(Business Process Management)の領域との統合だ。ビジネスの実行を管理するBPMからの情報を分析し、再度BPM側にフィードバックすることで、分析系と実行系のギャップを縮めることが期待できるだろう。

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